人気映画「スター・ウォーズ」シリーズ全8作品の全てに唯一出演していることで知られる俳優、アンソニー・ダニエルズさん(71)が2017年3月20日、全日空(ANA)の特別塗装機のお披露目イベントに登場し、映画にまつわる「裏話」を次々に披露した。
ダニエルズさんは、人気キャラクター「C-3PO」を演じているが、撮影中に転んでC-3POの人形の下半身を壊し、壊れていない上半身だけで撮影を続行したり、バッテリーがショートして感電死しそうになったりと、かなり際どい状況で撮影が行われていたことを明かした。
つまづいて左下半身が壊れ、上半身だけを撮影
この日の発表会では、C-3POを描いた国内線向けの特別塗装機「C-3PO ANA JET」(ボーイング777-200型機)がお披露目された。17年12月には第8作「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」が公開予定されることもあって、過去の作品の「裏話」にも花が咲いた。最初にダニエルズさんが例えに出したのが、日本の文楽だ。エピソード1~3(1999~2005年公開)では、ダニエルズさんが中に入ったC-3POは後ろから操り人形のようにして操作していたといい、
「日本の文楽をご想像いただければ分かると思うが、自分の体の前面に人形をくっつけて撮影していた。頭、肩、腰、ひざ、つま先のすべてがくっついていた。ケーブルでつながっていたからだ」
と振り返った。こういった操作方法だっただけに「人形は非常に重く、操作が難しかった」といい、トラブルも起こった。床がでこぼこになっている惑星のセット上での撮影で、違うアングルで撮影するために同じ演技を4回ほど繰り返し、5回目の演技でアップのシーンを撮影。その際、足が石につまづいて、左側に倒れ込んでしまった。ダニエルズさん本人は無傷だったが、人形の左下半身はぐちゃぐちゃになってしまった。ダニエルズさんは
「世界中、銀河系でその1体しかなかったのに、私がつぶしてしまった」
と非常にショックを受けたが、アシスタントから返ってきた言葉は「このシーンはアップで撮るよね?」。アシスタントは人形を上下に切り離してしまった。下半身がないC-3POを抱えながら撮影を続行し、カメラが下半身を撮ることはなく、「見事なシーンができあがった」という。
バッテリーがショートし、感電しそうに
ダニエルズさんの身に危険が及んだこともあった。お披露目された飛行機のデザインに触れる中で、
「飛行機の底面にはC-3POのバッテリーパックがデザインされているが、この(C-3POに装着されている)バッテリーパックは実は本物で、C-3POの目を光らせるための電源が入っている」
と説明。このバッテリーがくせ者で、
「スーツを着ることは決して快適ではなかったが、ある日、もっとひどいことが起きた。背中がものすごく痛く、『痛い、痛い』とスタッフに訴えた。何とスーツの中でバッテリーがショートしていた。危うく感電死するところだった」
と、苦笑いしながら振り返り、最後には、
「フォースとともにあらんことを」
と日本語であいさつし、笑顔を見せていた。