ニンテンドースイッチの奇襲 「期待値低かった」のが奏功?

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   任天堂の株価が2017年3月に入って上値を追う展開となっている。3月3日に発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が売れているためだ。

   2016年夏に「ポケモンGO」が世界で配信され始めた当時には、その大ヒットを好感し、任天堂株は7月19日までの3週間で株価が2倍に膨らむ大相場となった。今のところ「スイッチ」にはそこまで株価への影響力はないが、年末から弱含んでいた任天堂株を押し上げているのは間違いない。

  • 「期待値低かった」のが株価には好影響?(画像はニンテンドースイッチ公式サイトより)
    「期待値低かった」のが株価には好影響?(画像はニンテンドースイッチ公式サイトより)
  • 「期待値低かった」のが株価には好影響?(画像はニンテンドースイッチ公式サイトより)

従来路線の延長線上か

   スイッチは、「Wii(ウィー)」のように家庭用テレビにつなげて大きな画面で遊ぶ「据え置き型」である半面、「DS」のように持ち運んで遊べる「携帯型」でもある。スイッチの本体は米アップルの「iPad」のようなタブレット端末で、コントローラーが別途ある。本体とコントローラーのコンビを持っていれば、外出時でも遊べるというわけだ。価格は税別2万9980円。2015年に55歳の若さで病死した岩田聡・元社長を中心に開発をスタートさせ、岩田氏の死後も遺志を引き継ぐ形でつくりあげた。2015年に「開発中」と公表された当初は「NX」という開発コード以外の詳細が不明だったため、期待感が醸成されていった。

   ただ、徐々に詳細が明らかになってくると過剰な期待はしぼんだ。ポケモンGOのように世界中を驚かせる画期的なゲームというよりは、「Wii」をバージョンアップさせ、コントローラーに画面がついた「Wii U」を連想させる。従来路線の延長線上に位置すると言えなくもないからだ。しかも、年明け1月13日に発表された価格は、従来の任天堂のゲームより高い設定で、ソニーの「プレイステーション4」(廉価版)に匹敵する。任天堂の株価は2016年末に配信が始まったスマートフォン向けゲーム「スーパーマリオラン」が期待通りの人気とはならなかったことから軟調だったが、それに拍車をかけることになった。

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