民泊、いよいよ全国解禁 「不法」民泊は一掃されるのか

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「不法民泊」全体の約3割

   一方で、気になるのが「不法民泊」が少なくないことだ。現状、「民泊特区」以外の地域で、民泊事業を行うには旅館業法が必要。この認可を得ていない事業者は「違法」で、「不法民泊」にあたる。

   2017年3月3日に厚生労働省が公表した「全国民泊実態調査」(2016年10~12月実施)の結果によると、インターネット上の民泊仲介サイトで紹介されている物件から全国の1万5127件を抽出して調査したところ、営業許可を得ていたのは2505件(16.5%)で、4624件(30.6%)は無許可だったことがわかった。残りの7998件(52.9%)は詳細な住所の情報がなかったり、物件が特定できなかったりするなどの理由で、許可の有無が確認できていない。

   こうした無認可物件や特定できていない物件は、東京23区内や政令指定都市が圧倒的に多い。また物件をみると、マンションなどの共同住宅が半数以上を占めている。

   ちなみに、1泊当たりの平均宿泊料金は、許可を得ている物件が1万6571円だったのに対し、無許可物件は7659円と半額以下だった。

   前出の濱園社長は、「不法民泊の施設ほど、衛生面などのクオリティや、カギの管理などのセキュリティがよくありません」と話し、「許認可を得ていない民泊施設が1年間で1万件増えるなど、増加傾向にあります」と懸念する。

   「ウイークリーマンション」や「マンスリーマンション」(賃貸)との違いも、明確なものはない。たとえば、滞在者がマンスリーマンションを借りる場合に1か月の賃貸借契約書を交わすか、民泊の場合は交わさないかの違いくらいしかない。

   そんな不安を抱えながらも、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催もあり、今後も外国人旅行者が順調に増え、民泊のニーズは高いと推測される。

   濱園社長はクオリティとセキュリティの高さが民泊成功のカギとみており、不法民泊の排除とともに、「新法の施行と行政の指導により、民泊施設の安全・安心、清潔などをぜひ一定レベルまで維持してほしいと思います」と期待する。

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