高校野球のセンバツ大会を前にした甲子園球場での練習に女子部員が初めて参加。野球だけでなく女性のスポーツ参加に大きな流れがはっきりしてきた。
目の前に甲子園土がありました
甲子園での女子部員の練習参加は全国紙の一面に掲載されるなど大きなニュースとなった。2017年3月14日に始まった練習で、岩手・不来方(こずかた)と岐阜・多治見、高知・中村の女子マネジャーがノックする監督にボールを渡すなどサポートした。
「目の前に甲子園土がありました」
「グラウンドに立ち幸せ」
彼女たちの初々しいコメントである。ただし練習参加といっても、決められたエリア、ヘルメット着用など条件付き。それでも長い高校野球の歴史に新たなページを印したことに変わりはない。
これまで女子生徒がグラウンドでの練習に参加できなかった理由の一つに「危険と安全」の問題があった。
硬式野球を経験した方なら分かるだろうが、硬球が当たったときの痛さは半端ではない。骨折もある。ゴロを体の正面で止めろ、と指導される内野手の体にはアザができる。それも、いくつも、だ。
女性は顔をはじめ体にボールが当たって傷や後遺症が残ると、のちに響くという考え方があった。安全面を重視したのである。