千葉県内の居酒屋で70人の貸し切り予約が入ったものの、当日は客が1人も来ず、予約を入れた客に連絡も取れずに終わるという出来事があった。
店がツイッターで「バックレられた」として、がらんとした店内写真とあわせて投稿すると、即座に店側への同情が集まった。「訴訟できる案件」というユーザーもいた。ところが、店は「不本意」な方向に拡散されたとして、このツイートを削除してしまった。
同情の投稿が相次いだが...
この居酒屋店は2017年3月10日夜、「70人の貸し切り宴会をバックレられました・・・嘘・ だろ・・・」とツイート。1人の客もいない店内と、宴会用に用意していたとみられる食べ物の写真も同時にアップしていた。
そのぼう然とした様子や、店側の損害の大きさを思ったツイッターユーザーらは続々と「酷すぎる」「飛んだ災難ですね」と同情した。「普通に訴訟できる案件」「通報して被害届を出した方がいい」との声まであった。
店側には「追い風」とも言えるほどたちまち話題となったが、店は投稿から約30分後、ツイートを削除した。その上で「不本意にも違う方向に拡散してしまいました」と削除の理由を説明する投稿もした。「ご迷惑おかけいたしました」とも書いている。
何が「不本意」だったのか。J-CASTニュースが17日、店に電話取材すると店長が応じた。店長は
「あの予約については、私たちの『凡ミス』だったかもしれなかったんです」
と話した。
予約を入れた客からは、受けた店員が名前と連絡先を聞いており、来店予定の前日から当日にかけて確認のため何度か連絡を入れたものの、一向につながらなかったという。そのため、予約客が連絡するのを忘れたか、予約を受けた店員がメモを取り間違えたなどのミスがあった可能性も考えている。「なので、怒りや悔しさは感じていません」とし、「今後同じことが起こらないよう『予約を受ける際は連絡先を2つ聞く』といったいくつかのルールを新たに作りました」と対策を取っている。
外部か内部の「嫌がらせ」の可能性?
ツイッターで投稿したのは「スタッフが落ち込んでいたので、この際面白おかしくしようとの思いからです。予約されたお客様を引っ張り上げたり、支払いを求めたりするつもりはありませんでした」という。こうした趣旨とは異なる形で反響が相次いだため削除に至ったものの、「今考えると、あのような形で拡散されるのは予想できた内容だったと思います」と考えている。
予約者には元々予約通りに来店する気はなく、はじめから店への「嫌がらせ」目的で貸し切り予約をした可能性について意見を聞くと、店長は「嫌がらせを考えたことはありますが、私個人としては小さいと思っています。そんなことをやっていられるほど暇な人がいますか」と答えた。
もう一つの可能性を考える。予約を受けたという店員が、そもそもありもしない予約をでっち上げ、店に損害を与えようとした可能性もあるのではないか――と指摘したところ、こう答えた。
「今回の予約を受けた店員が、実はその後辞めてしまっていまして、確認が取れない状態にあるんです」
ただ「勤務態度はとても良かったので、そういうことはしないと思っています」と加えていた。
なお予約は2000円のコースを70人、計14万円で取られていた。事を荒立てたくないといい、今後調査をしたり、警察に相談したりする予定もないという。真相はやぶの中だ。