2025年の開催を目指す大阪万博を巡り、経産省の報告書案に「トンデモ内容」が含まれていたと、ネット上などで物議を醸している。これを受けて、報告書案はいったんホームページから削除される事態になった。
「関西人を小バカにしているのではないか」。経産省が万博の概要をまとめて2017年3月13日に有識者検討会で示した報告書案について、その「関西弁バージョン」の内容が分かると、地元からこんな声が渦巻いた。
「戦前の優生学的な発想では」と疑問や批判
関西弁バージョンでは、万博のテーマについて、「いのちがキンキラキンに輝く未来社会のデザイン」とし、カッコ書きで「横文字苦手やけどな」と説明を付けた。また、「人類共通のゴチャゴチャを解決する方法を提言する場」と万博を位置づけ、これもカッコ書きで「例えばやな、精神疾患」と挙げた。
世耕弘成経産相は、14日の閣議後会見で「関西出身の私が見てもセンスのよい内容だとはとても思えない」と苦言を呈した。そのうえで、不適切な表現が含まれているとして、関西弁バージョンを撤回することを明らかにした。
ところが、その後、元々の報告書案についても、トンデモ内容が書かれていると、ネット掲示板などで話題になった。
それは、主に参考資料で4番目に挙げられた万博の「展開事例集」だ。
うち「ライフ」の項目では、「数千万人が来場する万博で、遺伝子データを活用したマッチングなど、新しい出会いを応援する」という提案があった。これは「万博婚」と名付けられているが、ネット上では、戦前の優生学的な発想ではないかと疑問や批判が相次いでいる。
「死を記憶せよ」という事例では、「天国の塔」からバンジージャンプすることで自分の死を感じてもらい、生への志向を強めるとうたってあった。また、ボタンを押して死刑をモニター体験するものや、自らの遺書を書いたり、棺桶に入ったりするのもあり、ネット上では、不謹慎ではないかといった指摘が出ている。