大相撲3月場所に春の嵐が吹き荒れている。歴代最多優勝回数を誇る横綱・白鵬(32=宮城野)が2017年3月16日、日本相撲協会に休場届を提出し、5日目からの休場が決定した。白鵬の休場は通算5度目。
モンゴル出身の横綱たちにそろいもそろって4日目までに土が付くという異常事態の最中の出来事だった。
白鵬、出稽古で足痛める
白鵬は4日目、平幕の勢(30=伊勢ノ海)に寄り倒され、通算15度目の金星を配給した。立ち合いで得意の右四つを狙ったが、右足が浮き、すり足で強く踏み込めなかった。おっつけられて押し込まれ、土俵際で寄り倒されかけた際、苦し紛れに右小手投げを仕掛けた。だが、行司の軍配が上がったのは勢だ。勢が土俵から降りる際に物言いがついたが、藤島審判長は「行司軍配通り勢の勝ちとします」と判定した。
白鵬は5場所ぶりの賜杯奪還を目指し、場所前に3度、出稽古に出向いた。田子ノ浦部屋との出稽古では新横綱・稀勢の里(30=田子ノ浦)に自ら勝負を申し出るなど、積極的な愛弟子に宮城野親方も「自分から言ってきて驚いた。優勝したい気持ちが強いのだろう」と語るほどだった。
だがサンケイスポーツ16日付によると、白鵬はこの出稽古で右足裏を痛め、「いつもの立ち合いができない状態っちゃ状態」と話したという。4日目の取組を終えた後には、支度部屋で「荒れる春場所やな...」と自虐的に漏らしたという。白鵬の休場は15年9月、16年9月と間隔が狭まってきている。
白鵬が休場を発表したと報道されると、ツイッターでは
「白鵬休場か...。残念だけど2敗の内容みてると仕方ないかな」
「白鵬 休場か... 時代は変わるのか」
「白鵬関、休場って・・・。今年一杯で引退しそうな勢いやな」
という不安の声が渦巻いた。
モンゴル勢の横綱は苦戦つづき
それにしても、白鵬の言う通り、今春場所はモンゴル勢が苦戦を強いられるなど、荒れ模様が続いている。日馬富士は関脇の琴奨菊(33=佐渡ヶ嶽)と蒼国来(33=荒汐)に黒星を喫し、鶴竜も4日目、琴奨菊にすくい投げを食らった。
4横綱で全勝を守っているのは、新参横綱の稀勢の里のみ。元「若乃花」以来の日本人横綱は、日本中の期待を力に変え、モンゴル勢の壁に風穴を開けられるか。元大関雅山の二子山親方(39)は16日朝、ツイッターで
「稀勢の里は良いですね。初日だけ心配したが初優勝した事で更に精神面が強くなりました。私は予想で2番手に鶴竜でしたが昨日の取組では優勝はない。他の横綱も調子が上がらないから稀勢の里独走の可能性も十分あり。高安も調子が良いし同部屋対決とか期待!」
と期待を寄せている。