資料を持ち帰った会議出席者が流した?
熊谷市教委の学校教育課では、J-CASTニュースの3月15日の取材に対し、資料流出について、「資料を持ち帰った会議出席者のうち、だれかから流れたとしか考えられません」と話す。
しかし、名乗り出る出席者はおらず、生徒の保護者からも明確な証拠が得られていないという。ネット上で検索をかけても、流出先のSNSが見つけられず、関係者以外は非公開のSNSで流された可能性もあるとしている。ネット掲示板などでも、資料はアップされていないようだ。学校教育課では、
「信頼できる地域の人に会議に出てもらっており、資料が漏れることは想定していませんでした。必要な資料だったと考えていますが、書き方のほか、会議後に回収しなかったこと、メンバー選定などに課題があるのではないかと考えています」
としている。
文科省が2015年8月31日に告示した「個人情報保護に関するガイドライン」では、第7の(2)で、「非行のおそれのある生徒等の情報を、生徒等本人及びその家族等の権利利益を不当に侵害しないことを前提に、非行防止に関係する機関との間で情報交換等を行うことが特に必要な場合」は、同意が得られなくても個人データを第3者に提供できるとされている。
埼玉県教委の生徒指導課でも、「学校の実情に応じて必要な情報を共有するのは、大切なことだと考えています」として、個人情報の提供には問題がなかったと取材に答えた。ただ、適切な管理が必要だとしており、「出席者に資料を持ち帰らせる必要があったのかなどが今後考えるべきことだと思います」と話している。
(訂正・追記=3月16日18時40分配信)
記事中にある文科省の「個人情報保護に関するガイドライン」の規定は、その後のJ-CASTニュースの取材で、学校法人(私立学校)にのみ適用され、公立学校は適用されてないことが分かりました。熊谷市の庶務課も、自治会長ら公務員以外に生徒の実名などを提供することは、市の個人情報保護条例にもとづき、市の審議会に諮るなどすれば可能性があるが、今回はそうした手続きを取っておらず、条例違反にあたることがわかったと取材に明らかにしました。これに伴い、見出しの「非行生徒の『実名・顔写真』提供は認められている」を「非行生徒の『実名・顔写真』提供が認められる条件」に訂正し、差し替えます。