森友学園をめぐる一連の問題で、「虚偽答弁」を否定し続けている稲田朋美防衛相の答弁に、さらにほころびが出ている。
籠池氏について「実際に裁判を行ったことはない」という発言を撤回・謝罪したのに続いて、2017年3月15日の参院予算委員会では、夫と立ち上げた弁護士事務所の「代表となったことはない」とする答弁に矛盾があることが指摘された。これに加えて「ここ10年来疎遠にしている」はずの籠池氏の妻の発言を紹介され、稲田氏は「奥様らしいなぁと思いますが...」と反応してしまい、野党から「よく知ってるんじゃないか!」と突っ込まれる有様だった。
「代表になったことない」答弁後、選挙公報には「代表に就任」指摘
稲田氏は2017年3月13日の衆院予算委員会で、
「私は籠池氏から法律相談を受けたこともなければ、実際に裁判を行ったことはない」
などと強い口調で、弁護士としての籠池氏との接点を否定していたが、04年に稲田氏が森友学園が原告の裁判に出廷したとの裁判所の記録が明らかになり、14日午後の衆院本会議で
「夫の代わりに出廷したことを確認できたので、訂正し、おわびいたします」」
と陳謝。野党は「虚偽答弁」だとして辞任を求めている。これに加えて、15日には新たな「虚偽答弁」も浮上した。
稲田氏は3月8日の参院予算委員会で
「これまで私は、(稲田氏が夫の龍示氏とともに立ち上げた弁護士法人の)光明会の代表となったことはない」
と答弁していたが、3月15日の衆院予算委員会では、稲田氏が初当選した05年衆院選の選挙公報で、経歴の欄に
「平成16年12月 弁護士法人光明会代表に就任」
と記載されていることを民進党の杉尾秀哉議員が指摘。これに対して稲田氏は
「その選挙公報は誤りではないが、(中略)平成20年に定款を変更し、社員2名体制の際に代表社員を置くこととしており、稲田龍示を代表者としたこともあり、訂正を申し入れることにした」
と説明した。法人設立時には稲田氏も代表だったが、後に夫のみが代表になったという趣旨の説明のようだが、3月8日の「代表となったことはない」答弁と食い違っているという点には変わりない。