学校法人「森友学園」(大阪府豊中市)を名乗るツイッターアカウントが、同学園をめぐる問題を扱うメディアへの「反撃ツイート」を立て続けに投稿していることが注目を集めている。
2017年3月12日の投稿では、退任意向を示した籠池泰典理事長の自宅まで「報道関係者が押し寄せてきた」として、取材に訪れた報道関係者の顔写真を大量に公開。その上で、「フジテレビさんやめてください」などとメディアを名指しで批判するツイートも寄せている。
公開した報道関係者の写真は計100枚
問題のアカウントの名前は「森友学園より」で、開設日は17年3月11日。アカウントのプロフィール欄には「当園に関わる報道について」と書かれているほか、政治団体「保守の会」の松山昭彦会長のブログへのリンクも張られている。
同アカウントが紹介している松山氏のブログは、森友学園について擁護的な記事を数多く掲載していることで知られる。さらに、籠池氏が園長を務める「塚本幼稚園」の公式サイト上でも、同ブログを「真実を取り上げてくださっております」と紹介している。
そんな「森友学園より」と題したアカウントは、3月14日15時までに27件のツイートを投稿しており、その大半がメディアの報道に「反論」する内容だ。最初に投稿した11日夜のツイートは、
「当学園に関連する工事業者について、自殺者が出たという報道がなされておりますが、そのような事実は一切ございません」
というもの。それから3件のツイートを立て続けに投稿しており、森友学園をめぐる一部メディアの報道を列挙し、個別に「事実ではありません」と反論している。
さらに、翌12日には「理事長宅にまで報道関係者が押し寄せてきた」として、11回の投稿に分けて大量の写真をアップロード。いずれも、テレビカメラを持つなど報道関係者の顔写真とみられるもので、その大半がカメラ付きインターフォンの「録画機能」で撮影されたものだ。
公開された「マスコミ関係者」の写真は全95枚。その中には、籠池氏の自宅で12日に単独インタビューを行ったフリージャーナリストとおぼしき人物の姿もあった。
「何を買っているのかまで写される」
さらに、12日にはスーパーへ買い物に出かけた際にも追いかけてきたマスコミがいたとして、
「何を買っているのかまで写される フジテレビさんやめてください」
と局を名指しで批判。その上で、スーパーの店内などで撮影したスタッフの全身写真を複数枚アップロードしていた。
ではいったい、この「森友学園より」というアカウントは誰が運営しているのだろうか。
まず、籠池氏の自宅付近をグーグルマップの「ストリートビュー」で見ると、同アカウントが投稿した画像に写る、周囲の壁などの風景とよく一致する。
さらに、14日朝に投稿されたツイートにも、投稿者の「人物像」につながる情報が含まれていた。
このツイートは、13日放送のNHK「クローズアップ現代」が、籠池氏が14年12月に大阪維新の会の中川隆弘府議(豊中市選出)に小学校建設のための援助を依頼したと伝えたことに反論する内容だ。番組の中では、中川氏が、
「(籠池氏は)やっぱり政治家を使って動かそうというつもりがあるのかなと、長年議員をやっているので感じました」
と籠池氏の印象を語る場面もあった。
これに対し、「森友学園より」のアカウントでは、
「松浦(正人、山口県防府)市長からのご紹介であったので、無にするのはいけないと思い 中川議員とお会いしました」(カッコ内は編集部追記)
と説明。その上で、中川氏には「事情の説明をしただけ」として、「お願い事などはしておりません。お目にかかったのは15分ほどです」と、関係者の立場で反論していた。
また、12日放送の「サンデージャポン」(TBS系)で評論家の古谷経衡氏が「(籠池氏は)これからも言論雑誌や講演などで活動を続けていくと思う」と発言したことへの反論ツイートでも、
「現在、当園再建について懸命に努力している最中であり、そのような事を行う予定も、余裕も御座いません」
と、まるで「本人」が書いているようなコメントも残している。籠池氏は3月15日、東京都内で会見する。このツイッターアカウントについても何か語るのか、注目される。