「PTA的組織」が不死鳥のように復活していた!
さて、PTAがなくなってから16年、「けやき小学校」はどうなったのだろうか。J-CASTヘルスケアは、同小の高橋亨校長を取材した。
――PTAがなくなってだいぶ経ちますが、保護者との連絡など学校運営はどうやっているのですか? 親たちはPTAの役員負担がなくなってよくなったと思いますが、何か不都合なことはないのですか。
高橋校長「いや、実は、やっぱり親たちの連絡組織が必要だということになり、2010年に『保護者の会』という組織ができたのです。本校は確かにPTAがありませんが、保護者の会には会長、副会長、会計、書記、庶務などの役員会があり、そのほかに運営委員会、学級委員会、地区委員会があります」
――はあ~、PTAはなくなったはずではないのですか。保護者の会とPTAとはどう違うのですか。
「PTAはP(親)とT(教師)の組織ですから普通は教師が事務局に入りますが、教師はまったく参加していません。親だけの組織です。ですから、学校から独立した自主的な組織です。それに上部団体の西東京市PTA連絡協議会にも参加しておりません」
――しかし、実質的にPTAと同じものなのでしょう。
「私は昨年(2016年)4月にここへ赴任する前、多くの学校でPTAを見てきました。この学校にはPTAがないと聞いてきましたが、率直に言って、保護者の会は他のPTAと大きな違いはないなと感じます」
――読売新聞の記事などを見ますと、PTAがなくなり、まるで「教育のユートピア」が訪れたような「美談」に描かれていますが、どうしてこうなっちゃったのですか。
「読売新聞の記事は、あの時点では正確だったと思います。しかし、その後、いろいろと不便な状況が出てきて、むしろ、保護者の方から保護者の会を作りたいと言ってこられたと聞いています。学校側ではありません」