医師「慣れてきて、無理をしたことが考えられる」
太っているなどメタボ体質の人や循環器に持病がある人などは、心肺停止になるリスクが高いとされている。2009年の東京マラソンでは、お笑いタレントの松村邦洋さん(49)が倒れ、AED処置で回復している。当時は、体重が100キロ以上もあり、マラソンを走ることに懸念の声も出ていた。
このときは、松村さんも含め一時心肺停止になった人が2人も出ている。その後も、東京マラソンでは、13年に2人のケースが出たほか、17年に入っても、石垣島マラソン(沖縄県)、青梅マラソン(東京都)などマラソン大会でランナーの一時心肺停止を伝える報道が相次いでいる。
今回の3人心肺停止に対し、ニュースのコメント欄では、「亡くなってからでは遅い」「何か対策しないとマズいだろ」「マラソン走らせる前に健康調査をした方が良い」といった意見が支持を集めている。
名古屋ウィメンズマラソンの医療部会長を務めている野口宏愛知医科大学名誉教授は、J-CASTニュースの3月13日の取材に対し、次のように話す。
「3人は、太ったりしておらず、血圧も正常で、リスク要因は確認できていません。マラソンに慣れてきて、無理をしたことが考えられます。風が弱く暑かったとの話もあり、脱水症状も出ていたかもしれません。女性は、男性よりも心肺停止になることが少ないと言われています。昨年は、男性だったので、今回は女性が3人出てびっくりしています。東京マラソンを凌駕するほどの医療スタッフを揃えて万全の体制を組んでいましたが、目が届かないところで倒れれば亡くなる可能性はあったと思います。助かったのは運がよかったと思ってほしいですね。マラソンには自己責任で参加するわけですから、健康調査を受けるなど自分で気をつけるしかないと思っています」