施設側も対応に苦慮している
現場の職員はどう思っているのだろうか。受動喫煙という観点から考えると、喫煙場所が屋内でも屋外でも、職員が置かれる状況はあまり変わらないのではないか。
J-CASTヘルスケアが東京都内のある特別養護老人ホームの職員に取材をしたところ、「施設内に入所者専用喫煙所がある」と話してくれた。
「(タバコを)吸う人は3人で、1日に吸う本数を決めていただいています。(喫煙場所への)誘導や喫煙中の付添いは喫煙者の職員が担当しています。私自身は非喫煙者ですが、喫煙所に入ることはないので受動喫煙は気にはなっていません。規定上職員は勤務中の喫煙禁止なので、付添い者はあくまで一緒にいるだけです」
では、仮に屋内全面禁煙になると問題があるのか。
「屋外に喫煙場所を設置すると、そこに行っている間は職員が1人不在になります。室内なら声掛けも簡単ですが、屋外となると余裕がない時に困る可能性もありますね」
この特養では職員への受動喫煙に配慮しているが、施設によって対応は異なる。非喫煙者の職員だが入所者の喫煙中に付添わねばいけない施設があるかもしれない。
「嫌々付添いをしている職員がいるなら喫煙所のあり方も考えなければいけないかもしれませんが、『法律で決まったのだから、もう(屋内で)吸えません』と入所者に言うのも...。難しい問題だと思います」