「またつぶれるのか」
こうした長屋王をめぐる逸話を背景に、「長屋王邸宅跡に建てられた奈良そごうが2000年に倒産した時、地元で密やかに長屋王の祟りが噂された」と、16年10月発行のNPO法人・平城宮跡サポートネットワーク会報誌に記述がある。
今回のイトーヨーカドー閉店の報でも、ツイッター上では「呪い」や「崇り」と結びつける声が数多く出ている。どこまで本気なのか、一種のネタとして楽しんでいるのかは、よく分からない。
「えええええ...長尾王の祟りじゃ...」
「長屋王の呪いで閉店とか」
「奈良そごうがつぶれてヨーカードーができて、またつぶれるのか。あの地は呪われてるのかも」
「奈良そごうも潰れ、今度はその建物を使ったヨーカドーも潰れる.......。 やはり歴史的遺跡を潰したらそれなりのアレがあるんですよ」
「ヨーカドー閉店となるとまた長屋王のタタリと言う人がどんだけいるのだろうか」
こうした声が出ていることについて、新たに商業施設を立ち上げる「やまき」の関係者に話を聞いたところ、
「我々としては町の再生の意味を込めての計画ですので、現在の地元の方々に認められ、受け入れられれば、昔そこに住んでおられた方々も評価してくれるのではないかと考えています」
と話していた。
もっとも、これまでの2店の閉店の現実的な原因として、アクセスの不便さも指摘されている。イトーヨーカドー奈良店のウェブサイトによると、最寄り駅の近鉄奈良線「新大宮駅」からは徒歩20分かかる。近隣には近鉄奈良線「大和西大寺駅」徒歩3分と駅近のショッピングセンター「ならファミリー」や、「イオンモール」などの競合がひしめいている。そのためツイッターにはこんな声もあがっていた。
「新大宮のやつか。駅から地味に遠くて行ったことないな」
「ヨーカドー奈良店は電車で行くにも車で行くにも中途半端な場所」
「まあもとから奈良のヨーカドーはアクセス悪いからなあ...」
「近隣に奈良ファミリーと高の原&大和郡山&学研奈良登美ヶ丘の3つのイオンモールというライバルがいる」