2017年3月12日から施行される改正道路交通法では、臨時認知機能検査や臨時高齢者講習が新設されるなど、高齢運転者対策が盛り込まれる。ブレーキとアクセルの踏み間違えによる事故多発などで顕在化した「高齢者ドライバー問題」を受けての措置だが、色彩検定協会では同問題に関連して「色と高齢者に関する実態調査」を行い、3月9日にその結果を公表した。
それによると、加齢で視覚機能は低下するが高齢者はその実感や自覚が低い可能性がある。
「信号や道路標識が見えにくい」ことも
調査は2月10日から14日の間に、60~80代の男女1000人と30代の男女200人、計1200人を対象にインターネットを通じて実施された。
加齢により眼の機能は衰えるが、60歳以上の93%が「色の見えづらさ」や「色の見間違い」を「感じたことがない」と回答。70代、80代と上がるごとにその回答が多くなることが分かった。「色の見えづらさ」「色の見間違い」に対して高齢者の自覚や実感が低くなる傾向がうかがえた。
「色の見えづらさ」や「色の見間違い」の経験があると答えた60歳以上の人にその具体的な例を聞くと「自動車運転など交通関連」の回答が最多。「信号や道路標識が見えにくい」「赤信号が青信号に見えて危うく事故になりかけた」などの回答もあった。
「危険」「注意」「安全」で想起する色について60代以上は「危険=赤色」「注意=黄色」「安全=緑色」と回答し、30代は、「危険=赤色」「注意=黄色」「安全=青色」で、「安全」は一致しなかった。