松坂の60億円の時代はもうこないのか
「直接メジャー」にこだわると、大谷のプログラムは大きく狂う。ただし、マイナー契約を飲めばこのオフに米球界に行くことはできる。田中将大やダルビッシュ有らのように、いきなり大リーグ行きはできないというだけの話である。
マイナー契約の場合、契約金や年俸など条件はかなり低い。けれども、いったんマイナーでプレーし、好成績を挙げてメジャー契約すれば、高額契約が取れる。ちょっと時間を置けば、早い時期に大リーグで活躍も可能である。
このへんは代理人の腕にかかっている。
大谷の素質からみれば、マイナー契約など関係なく大リーグのスカウトが手を伸ばすだろう。
日本ハムは移籍金などで目論見が変わってくる。今年のオフに大リーグに行ってくれれば大金が入るところだったかもしれなかったのに、あと3シーズンは大谷に年俸を支払うことになる。今季は3億円近い年俸だが、成績次第では18、19年で計10億円年俸の可能性もある。松坂大輔がレッドソックスに入ったとき、西武に60億円支払われたというような夢のような話はなくなった。
大谷は故障を理由にWBCを辞退した。今はペナントレースを目指して練習中。大リーグコミッショナーの話で、大谷のメジャー挑戦はシーズンが深まるとともに「翔平の決断は、いつ」と騒がしくなるだろう。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)