朴大統領「失職」決定、「ただの人」に 5月にも大統領選投票

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   韓国の国会が弾劾訴追した朴槿恵大統領の罷免が妥当かどうかを審理する裁判で、韓国の憲法裁判所は2017年3月10日、朴氏の罷免を決定した。

   2016年12月に弾劾訴追され、大統領権限を停止されていた朴氏は、今回の決定で即座に失職した。この結果、60日以内に大統領選が行われることになり、投開票日は、5月9日が有力視されている。

  • 韓国の憲法裁は朴氏の罷免を決定した
    韓国の憲法裁は朴氏の罷免を決定した
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日韓慰安婦合意の再協議の可能性

   聯合ニュースなどによると、韓国憲法裁判所は裁判官8人全員の賛成で朴氏の罷免を認める決定を言い渡した。現職大統領の弾劾裁判自体は2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏の例があるが、罷免されたのは朴氏が初めて。次期大統領が決まるまで、大統領の権限は引き続き黄教安(ファン・ギョアン)首相が代行する。また、今後、「朴氏逮捕」の可能性なども取り沙汰されている。

   朴氏が友人の崔順実被告に機密文書を渡し、高官人事に介入させたかどうかや、14年のセウォル号事件の発生直後に職務を果たさなかったか、サムスングループなどの大企業から賄賂を受け取ったかなどの疑惑について、憲法裁は違憲もしくは重大な違法行為にあたるか審理していた。決定では、セウォル号事件など一部の違法行為については証拠不十分としたが、朴氏の重大な違法行為を認めた。

   世論調査会社の韓国ギャラップが10日に発表した次期大統領選の有力候補の支持率調査によると、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が32%と首位で、同党所属の安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事は17%、第2野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前代表と、現大統領権限代行首相の黄教安氏はいずれも9%で、文氏が独走状態を保っている。

   次期大統領選の有力候補者たちは全員、2015年の日韓慰安婦合意の再協議を主張し、ソウルの日本大使館前にある「慰安婦像」の撤去にも否定的な見解を示している。このため、今回の罷免決定で、だれが大統領に当選したとしても、日韓外交は難しい局面に入ると予想される。

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