警察庁が2017年3月9日に公表した、16年の「少年非行、児童虐待及び児童の性的搾取等の状況について」によると、同年1年間で全国の警察が虐待被害の疑いで児童相談所(児相)に通告した子ども(18歳未満)の数は、5万4227人で、前年比46.5%増と大幅に増えた。統計がある04年から12年連続の増加。
児童ポルノ検挙件数、過去最多
通告の理由は、暴言を浴びせるなどの心理的虐待が68.6%(3万7183人、前年比53.9%増)で最多。このうち、子どもの前で配偶者に暴力をふるう「面前DV」が2万4998人だった。以下は、身体的虐待(20.6%=1万1165人、前年比35.2%増)、育児放棄・拒否などネグレクト(10.4%=5628人、同27%増)。
検挙件数は、無理心中や出産直後の殺人・遺棄を含め、前年(822件)比31.5%増で、これまでで最多の1081件。殺人が46件(前年比7件増)、傷害致死が6件(同6件減)で、傷害が449件(同105件増)あった。強姦(34件、前年比12件増)など性的虐待は162件(同45件増)、刃物を見せて脅したり監禁したりする心理的虐待が31件(同13件増)、ネグレクトが22件(同14件増)だった。
また、児童ポルノ事件をめぐっての検挙件数は2097件(同159人増)で、被害児童は1313人(同408人増)で、いずれも過去最多だった。