リンゴ:肺がんや心臓病の発症リスク減らし 中高年に多い肺疾患の予防も期待

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   「♪リンゴは何にもいわないけれど リンゴのパワーはよくわかる リンゴすごいや すごいやリンゴ......」。ごぞんじ「リンゴの唄」の歌詞はこう変えなければならないかもしれない。

   リンゴには多くの健康効果が知られているが、今度はポーランドの大学が、恐ろしい肺疾患の「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」の予防効果が期待できるという研究を肺疾患専門誌「Thorax(胸郭)」(電子版)の2017年2月22日号に発表した。

  • 「医者泣かせ」といわれたるリンゴは丸ごと食べよう
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リンゴ・ポリフェノールが肺の炎症を抑える

   慢性閉塞性肺疾患(COPD)は最近、急増している呼吸器の病気で、かつては慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれた病気の総称だ。階段の上り下りで息切れしたり咳き込んだりする。患者総数は約500万人。特に喫煙者に多く、40歳以上の日本人の約9%がかかる。ただの咳と侮ってはいけない。重症になると肺炎を始め、全身に炎症が広がり、呼吸困難を引き起こし死に至る。日本人男性の死亡原因の第8位(2015年)に上昇した。

   最近、糖尿病やがん同様に日々の食生活や運動不足が影響していることがわかり、「肺の生活習慣病」と呼ばれている。米国では、がん、心筋梗塞(心臓病)、脳卒中、糖尿病、精神疾患と並ぶ「6大疾患」に数えられている。

   「Thorax」誌の論文要旨によると、ポーランド・ワルシャワ生命科学大学のチームは、45~79歳のスウェーデンの男性4万4335人を約13年間追跡し、食生活と喫煙、運動習慣などとCOPDの発症リスクの関係を詳しく調査した。調査期間中に1918人がCOPDを発症した。食生活との関連で分析すると、喫煙歴に関わらず、特定の果物や野菜を1日に5皿以上食べていた人は、2皿以下の人に比べ、発症リスクが35%低かった。食べる量が1皿増えるごとに、発症リスクが4~8%低くなった。

   「特定の果物・野菜」で一番効果が高かったのが、リンゴ、ナシ、緑黄色野菜だ。すべての果物・野菜に効果があるわけではなく、バナナ、ベリー類、ミカン、トマト、ニンニクなどははっきりした効果がみられなかった。

   研究チームのジョアンナ・カルーザ博士は、論文要旨の中で「リンゴなどの含まれる抗酸化力が強いポリフェノールが、COPDの発症の原因となる細胞組織のストレスや炎症を軽くしている可能性がある」と指摘している。

子どものアレルギー疾患を35~37%減らす

   リンゴの健康効果については、2016年2月にハーバード大とシドニー大の国際研究チームが「1日に1個リンゴを食べると寿命が延びる。特に70歳以上の高齢女性では、ほとんど食べない人に比べて死亡率が4割近く減る」という報告を発表した。それによると、1日にリンゴを食べる量が半個分ずつ増えると、死亡率が約10%ずつのペースで減るという。

   このほか、フィンランドで約1万人を28年間追跡した調査では、肺がんのリスクを58%、心臓病のリスクを39~41%減らす結果が出た。イギリスやオランダでも子どものアレルギー関連疾患のリスクを35~37%減らす調査がある。

   これらの調査では、リンゴ・ポリフェノールに脂肪を燃焼し、血管の動脈硬化を防ぐ作用があると同時に、アレルギー症状の原因であるヒスタミンを抑える働きがあることがわかっている。また、リンゴの中に含まれるペクチンや、リンゴ酸、ビタミンが活性酸素を抑え、食べ物の消化や吸収、脂肪の燃焼を図っていることもわかり、注目されているのだ。

   では、リンゴをどのように食べれば、もれなくリンゴの栄養素を吸収できるだろうか。2017年2月12日放送のTBS系「林先生が驚く初耳学」では、ダイエット効果も期待できる「焼きリンゴ」の作り方を紹介していた。ポイントになるのは、脂肪を燃焼させる働きをするペクチンが、100度以上に加熱すると6~9倍に増えることだ。「焼きリンゴ」の作り方は以下のように簡単だ。

(1)食べやすい大きさに切って種を取り除く。


(2)皮はむかず、レンジやオーブンに入れて100度以上で5分間加熱する。食べる時は皮ごとがオススメ。皮に一番多くペクチンが含まれているからだ。

ぜん息の予防「リンゴの万能ピューレ」の作り方

   また、2014年11月10日放送のNHK「あさイチ イチオシ・リンゴ活用法」では、ぜん息の予防効果も期待できる「リンゴの万能ピューレ」を紹介していた。作り方はこうだ。

(1)材料(作りやすい分量):リンゴ100グラム(約2分の1個)、砂糖(小さじ1~2)、バター(1センチ角1個)。


(2)リンゴの皮をむき、芯を取り除き、大きめのいちょう切りにする。

(3)切ったリンゴを耐熱ボウルに入れ、砂糖(小さじ1~2)、バター1個を加える。

(4)電子レンジ(600~700ワット)に入れて、3分加熱する。

(5)加熱したリンゴを1~2分蒸らしてバットに移し、フォークの背でつぶしたら完成。

   「リンゴの万能ピューレ」はジャムの代わりにパンにのせたり、ヨーグルトに混ぜたりしてもよく合う。また生クリームと混ぜて冷やせばアイスクリームにもなる。また、酢やサラダ油、コショウを加えて「サラダドレッシング」を作ったり、しょうゆ、酒、ショウガと混ぜて「調味ダレ」にしたりすることもできる。ぜひ、お試しあれ。

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