茂木健一郎氏「日本の芸人終わってる」発言は間違っているのか

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   日本のお笑い芸人を「終わっている」と断じた脳科学者の茂木健一郎氏(54)のツイートが波紋を広げている。

   「爆笑問題」の2人は、パーソナリティーを務めるラジオ番組で猛反論。田中裕二さん(52)は「日本のお笑いはレベルが違う」とし、「オワコンとか言ってんじゃねえ」と噛みついた。しかし、同意する芸人も出てきた。

  • 茂木健一郎さん(2016年3月撮影)
    茂木健一郎さん(2016年3月撮影)
  • 茂木健一郎さん(2016年3月撮影)

茂木「国際水準のコメディアンとはかけ離れている」

   茂木氏は2017年2月25日、ドナルド・トランプ米大統領の主張など、政治問題に「徹底抗戦」する米国のコメディアンやテレビ番組について「胸が熱くなる」とツイッターで称賛する一方、日本のお笑い芸人については、

「上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無」

と厳しい見方を示し、「後者が支配する地上波テレビはオワコン」と切り捨てた。

   3月1日のツイートでも、

「日本の『お笑い芸人』のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に『終わっている』」

と、日本のお笑い界を再び批判。あるフォロワーから「爆笑問題」の2人がラジオ番組で政治問題に言及していることを伝えられると、「太田さん、鋭くていいですね!」としつつも、

「ただ、コメディには、単に権力者を批判するだけでなくて、人権や自由、多様性の尊重といった骨太のバックボーンが求められます。笑うことで、みんなが自由にならないといけないのです。安倍さんを批判するだけだと、コメディとしては今一つ足りないかもしれません」

と「注文」をつけた。

太田光「日本のお笑いのほうがよっぽど多様性がありますよ」

   これを受け、爆笑問題は8日未明放送のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で猛反論を展開した。

   先日行われた米アカデミー賞授賞式でドナルド・トランプ米大統領への批判が相次いだことが話題に上ると、太田光さん(51)は

「それ(政治を茶化すこと)がいかにも良いっていう...。別に誰とは言わないけどさ...うるせえよバカ」

と、名前を伏せて茂木氏に噛みついた。

   米コメディアンにみられるような政治風刺について、太田さんは「あんなものは簡単なんですよ」とし、「PPAP」で世界的ブームを巻き起こしたピコ太郎さんや、バブル芸芸人としてブレイク中の平野ノラさんらを例に挙げながら、

「日本のお笑いのほうがよっぽど多様性がありますよ」
「全部が世相を反映している」

と主張した。

   太田さん曰く、政治風刺ネタをやっているお笑い芸人も「地下」にいけば「いくらでもいる」というが、「そんなやつは出てこられない」という。それ故、日本のお笑いは「全部変換して、直接そう言わずにテレビに乗っけてる」のだと力説。

   相方の田中さんも「本当に日本のお笑いは面白いなって思うよね。レベルが違う」と指摘し、やや声を小さくしながら「オワコンとか言ってんじゃねえって話なんだよね」と茂木氏にクレームを入れた。

たかまつなな「同じ種類の笑いしか評価されにくい」

   2人の反論は茂木氏の耳にも届いた。茂木氏は8日、「太田さんに『うるせえよバカ』と言っていただいて光栄です」とツイートした。ただ、太田さんの言い分に納得したわけではないようで、

「『政治風刺』が簡単なのか、日本のお笑いの方が多様なのかはぼくにはわかりません。今の地上波の笑いに不満足なことだけは確かです」

と続けた。

   こうした爆笑問題の猛反論の一方で、同じ芸人の中には、茂木氏に同意する意見もある。お笑い芸人のたかまつななさん(23)は3月4日、茂木氏のツイートに「おっしゃる通りだと思います」とのリプライを飛ばし、

「このままでは、YouTuberに芸人は淘汰されるでしょう。私は、お笑いの悪しき慣習を破ろうと、菅直人元総理をライブに呼んで野党の姿勢をとくなどしてます」

と自身の活動を紹介。さらに「テレビの制作力は一流」としつつ、

「制約と自主規制と視聴者は理解できないという正義のもと、どんどん迎合して、啓蒙の役割が希薄になること、多様性が少ないことが問題だとおもいます。同じ種類の笑いしか評価されにくい」

と問題点を指摘した。

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