観光列車「かわせみ やませみ」の運行スタート
JR九州はもともと、鉄道以外の不動産や小売りといった多角化事業で安定的に利益をあげられるのが強みだった。三大都市圏のように多数の乗客を見込めない一方で不採算のローカル線を抱えることもあり、豪華列車「ななつ星」のような成功はあっても鉄道事業は苦戦を強いられる宿命にある。
何とか鉄道事業のスタート台を黒字基調にすることで上場に至ったわけだが、実際に鉄道事業で黒字転換を図れ、その規模が従来予想より拡大することが見えてきたため、市場がわきたち、連日の上場来高値となった。3月に入り、車両に地元木材をふんだんに使った熊本県内(熊本―人吉間)を走る観光列車「かわせみ やませみ」の運行がスタート。今も予約困難な「ななつ星」のように観光客を引きつけるようになればさらに株価が上昇するかもしれないが、「JR九州株はさすがに高値警戒感が出てきた」(国内証券系アナリスト)との声も出始めた。