学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題をめぐり、渦中の安倍首相夫人・昭恵さんが報道陣の前に姿を見せた。
出席したイベントの内容は、和やかそのもの。しかし、詰めかけた報道陣から今回の問題に関する質問が相次ぐなど、会場は一時騒然となった。
UZUの開店エピソード
17年3月8日、「国際女性デー」にからめたイベント「HAPPY WOMAN FESTA 2017」が東京・渋谷で開催された。昭恵さんはそこで、池内ひろ美・内閣府後援「女性活躍推進委員会」理事とトークセッションを繰り広げた。
話題に上ったのは、自身がオーナーを務める東京・神田の小料理店「UZU」と、ファーストレディーのやりがいにまつわる話。
UZUは12年にオープンした。東日本大震災の発生時、都内のコンビニから一時的に食料がなくなったことがきっかけで、「生きていくためには食べ物を確保するのが大事だ。自給自足をしていけるような生活をつくろう」と思い立ち、開店を決めたという。
店名の由来は、アメノウズメ。「岩戸隠れ」した天照大神を連れ戻し(岩戸開き)、暗い世の中を明るくした神だ。そんなアメノウズメになぞらえ、
「思い切って自由に行動できない女性が多くいる中、女性の良さを十分に発揮し、現代版の『岩戸開き』をしたいと思ってUZUと命名しました」
と明かす。
ファーストレディーの仕事については、
「特に何ができるというわけではありませんが、総理大臣夫人という立場だからこそ『会えて嬉しい』と言ってくださる人がいます」
と語った。
マスコミ「何か言ってください。国民はそこが知りたい」
一方、会場では森友学園問題に関する質問も飛び交った。昭恵さんは、同学園が新設予定の小学校「瑞穂の国記念小学院」の名誉校長に一時就任していた。そうした背景もあり、トークセッション後、フォトセッションに移ると、報道陣から
「籠池(泰典・同学園理事長)さんに騙された気持ちは」
「森友学園の問題について一言」
「何か言ってください。国民はそこが知りたいと思いますよ」
と厳しい口調で言葉が投げかけられた。
しかし、昭恵さんは一瞬引きつった笑顔を見せながらも、そうした質問に応じず、会場を後にした。
昭恵さんは、その後のこうしたやりとりを想定していたのか、トーク中に、
「良い形で放送してもらえるように、くれぐれもよろしくお願いします」
と報道陣に呼びかけていた。