マレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏(45)の息子、ハンソル氏を名乗る男性の動画が2017年3月7日付でユーチューブに公開された。男性は「北朝鮮から来た。キムファミリーの一員だ」と話し、「父は数日前に殺害された」とも話した。仮にハンソル氏だと確認されれば、正男氏の家族が同氏の殺害について触れるのは初めて。
動画には、「千里馬(チョンリマ)民間防衛」を名乗る脱北者支援団体とみられる団体のマークが入っており、ハンソル氏はこの団体の保護下にあるとみられる。
脱北者支援団体の保護受ける?
動画の長さは約40秒で、黒い服を着た男性が、比較的流暢な英語で
「私の名前はキム・ハンソル。北朝鮮から来た。キムファミリーの一員だ」
と自己紹介。自らのパスポートの表紙や写真が掲載したページも示したが、写真のページは「黒塗り」で公開されている。その上で、男性は
「父は数日前に殺害され、今は母親、姉妹(シスター)と一緒にいる。(音声が消されて聞き取れず)には非常に感謝している」
と述べた。撮影時期や場所は明らかにしていない。
ユーチューブの動画の動画を投稿したのは、「千里馬民間防衛」(Cheollima Civil Defense)を名乗る利用者。動画の説明欄には、この団体の公式サイトとみられるサイトへのリンクも貼られている。サイトによると、
「千里馬民間防衛は先月、金正男氏の家族から助けが必要だと要請があった。速やかに家族3人と面会し、安全な場所に移動させた。我々は過去にも、緊急の保護要請に対応してきた。これがこの件に関する最初で最後の声明だ。今の家族の所在地は明らかにしない」
と説明。オランダ、中国、米国、それ以外の1国への「人道的支援に感謝」するとも表明している。
この動画について、韓国統一省の鄭俊煕(チョン・ジュンヒ)報道官は8日の会見で、
「もう少し確認が必要」とした上で、「千里馬民間防衛」については
「韓国統一省として把握していない団体だ」
とした。
一方で、聯合ニュースによると、韓国の情報当局関係者は
「本人が投稿したものとみられる」
と明らかにしたという。