芸能人のPTA役員体験悲喜こもごも 北斗晶、千秋、菊池桃子、和泉元彌...

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   わが子の新入学・進級シーズンの到来とともにママを憂うつにさせるPTAの役員選び。それは芸能人といえども例外ではない。

   仕事との両立に加え、有名人ならでは苦労もあるようだ。一方、PTAで最も大変な会長職を務めて改革に取り組んでいる人もいる。

  • 桜の季節はママに憂うつなPTAシーズン
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宮川一朗太PTA会長は「キレイごとすぎる」?

   俳優の宮川一朗太さんは自分のブログ「一朗太の撮影日記」の中でも、折にふれて小学校の子どものPTA会長を3年間務めたことを公言している。2017年2月16日放送のフジテレビ系「バイキング」では、女性向けサイト「発言小町」の「#PTA辞めたの私だ」で話題となった学校のPTA問題を取り上げ、ゲストに宮川一朗太さんを招いて議論した。その時の宮川の発言が、「キレイごとすぎる」とネット上で批判を浴びた。

   ネットの情報メディア「しらべえ」(2017年2月16日付)では番組の模様とネットユーザーの反発をこう紹介している。

「PTAをめぐっては問題が山積している。そこで、経験豊富な宮川の意見が求められたのだが、コーナーの冒頭から『PTAやってみてください。楽しいですよ!』と、PTAに前向きな姿勢を示す宮川。自身がPTA会長を務めることになった経緯については『最初は騙されて会長になったんですよ』と冗談まじりに話した。番組では、実際にPTA活動をしている方々から『PTAは究極のボランティア』『非会員の人からお金を徴収してパートみたいにすれば?』という意見が。それらに対し宮川は『頑張っている親の姿を見せるのも子どものため』とコメント」

   「さらに、『保護者同士の集まりは、特に人間関係が難しい』という問題について『それは運。諦めてください』と一刀両断。そんな宮川発言に対して、ネットでは『キレイごとすぎ』と批判が相次いだ」として、次のツイートを紹介している。

「宮川一朗太さん、案の定一発目からキレイ事でヘドが出る。イラつく。そんなん、現実無理なんだよ。気持ちで乗り越えるんじゃなくて、ホント坂上忍さんの言うようにシステムから変えてけよ。個々の気持ちで補わなきゃいけないPTAってなんなんだよ」
「子供が見ているのは親と過ごした時間。PTAで頑張っている姿なんて記憶にも心にも残りません」

菊池桃子は文科省に「PTA入退会自由」を直訴

   「PTAのシステムを変える」と言えば、タレントで戸板女子短期大学客員教授の菊池桃子さんが2016年3月、政府の「1億総活躍国民会議」の場で文部科学省に「PTA改革」を直訴したことが話題になった。同会議民間議員の菊池さんが非公開の会議の中で、働く女性のためにPTAの入退会自由を徹底させるよう訴えた。その時の模様を産経新聞ウェブ版の2016年3月25日付は次のように書いている(要約抜粋)。

――具体的にどのような発言をしたのか。

菊池桃子さん「ワーキングマザーの『困っている』という話について言及させていただきました。1つの例ですが、PTA活動、もともと任意活動であった。しかし、なぜか、すべての者が参加するような雰囲気作りがなされていると。なかなか働くお母さんたちにとっては、PTA活動が難しいと。文部科学省の方に、もう一度見つめ直す機会、調査する機会を設けていただいて、実際にどのような状況が起こっていて、何が課題になっているのか、しっかりと把握していただきたいという風に申し上げました」

――PTA改革の方向性をどう考えるのか。

菊池桃子さん「任意という言葉をもう一度、みんなの中で共有し、確かめあって、本当に手伝いたい時に、手伝いたい者が、仕事の邪魔にならないように、何かできるような仕組みを作っていくことが必要かと思いました。しかし、PTA活動に、決して否定的になってはいけないと思います。これまでのPTA活動が子供たちの成長に、また学校教育の場に寄与してきた部分、貢献してきた部分を評価しなくてはなりません。その上で、新しく、ミクロ視点っていう現場の声を政府の方に上げるということも各議員にお願いした次第です」

「鬼嫁」北斗晶をビビらせた「役員選び」戦争

   菊池桃子さんはプロゴルファー西川哲さんと離婚後、シングルマザーとして2人の子を育てている。PTA活動の苦労があったと思われるが、本人は明らかにしていない。忙しい芸能人といえどもPTA役員は逃れられないのが宿命だ。現在、乳がんの闘病中のタレントの北斗晶さんは、自分のブログ「そこのけそこのけ鬼嫁が通る」(2009年2月13日)の中でPTAの役員の任期が終わった喜びを、ママ友3人との記念撮影と一緒にこう綴った。

「終わった~。 仕事が終わり自宅に着いたら直ぐに長男が通う小学校に直行! 夜7時からPTAの集まりがありました。こう見えて私、去年からPTAの役員でして。今日が最後の委員会。1年間、一緒に頑張ってPTAをやり遂げたママ友とお疲れ様の記念写メ! 初めはやりたくないと思ったけど。やってみたらあっという間の1年間だった。他のお母さんたちも本当に頑張っている! 母は強し! 4年生のPTA役員は終わったけど、今年は私、地域役員です。頑張らなくちゃ~」

   タレントの千秋さんも自分のブログ「ICHIGO DOUMEI」(2014年3月18日)の中で、PTA役員を終わった感慨をこう綴っている(要約抜粋)。

「わたしは今学年、学校のPTA的なやつのある役員をやっていました。全国の小学生ママあるあるで、6年間のうちの1年は役員をやらなきゃいけないという暗黙のルールがあると思います。これは働いていても関係なく、です」
「仕事があるからやるのは大変だし、忙しいからって逃げるのも嫌だし。で、最初から今年やるって決めていました。1年間やって、ようやく無事に終わった~! 決して、よくやったとは言えないけれど、やらなきゃいけないことはやりました。もう、小学生のうちはやらないぞ」

   2人ともブログでは「終わった」解放感しか書いていないが、2人そろってフジテレビ系番組「ノンストップ」(2014年10月24日放送)の「PTA役員選び特集」に出演した時は、生々しい体験を語った。その時の模様をニュースサイト「TechinsightJapan」(2014年10月26日)の「北斗晶が語る『PTA役員決め』の驚くべき現状」ではこう紹介している(要約抜粋)。

「『鬼嫁』で知られる北斗晶をも、驚かせ怯ませたのが長男と次男が通う小学校のPTA役員問題だ。PTA役員決めは『戦争』だという。仕事をしていようがしていまいが、シングルマザーであろうが一切関係なし。役員を断れるのは『地域役員』を引き受けている場合だけ。地域役員も大変で、朝6時半に『スクールゾーンの看板出し』をし、午後は『通学路のパトロール』をする。彼女が地域役員を引き受けた時に、朝方まで番組の収録が及んだことがあり、慌てて看板出しを夫の元プロレスラー・佐々木健介に電話で頼んだ」
「千秋も娘の通う学校で役員を引き受け、行事の手伝いにはできる限り参加しているようだ。『役員は逃れられないから引き受ける学年を決め、マネージャーに仕事の調整をお願いした』と話す。しかし中には、『絶対に役員にはなりたくない』と安易な嘘をついて逃れようとする親もいる。北斗のママ友は義理の父の介護を理由に役員を断った保護者会の翌日、その義理の父が人気大福を購入するためスーパーに並んでいたところを目撃された......」

和泉元彌PTA会長が掲げた改革への「3C」スローガン

   PTA役員の中では一番大変なのが「PTA会長」だ。冒頭の宮川一朗太さん以外にも引き受けた芸能人が狂言師の和泉元彌さんだ。グループウエアのサイボウズのウェブサイト「サイボウズ式」(2014年3月17日・18日)の「PTA会長は狂言師!」で、同社の山田里副社長と対談している。2人はたまたま同じ小学校で会長・副会長を引き受け、タッグを組んでいる縁なのだ。対談を読むと、伝統を重んじる立場である和泉さんが、ことPTAに関しては改革を目指す「名会長」ぶりを発揮していることがわかる(要約抜粋)。

山田氏「そもそも何がきっかけでPTA活動を始めたのですか」
和泉氏「よく学校で見かけるからということで、声がかかったのでしょう。僕は毎朝、子どもを学校に送っているのです。僕の場合、公演や稽古は夕方がほとんどなので、昼の時間の都合がつきます」
山田氏「PTAは独特の世界ですよね。ボランティアという点が難しい。皆さん一生懸命やっているので、あまり強く出ては失礼になるし、どういうスタンスで取り組めばいいかとまどいました。子どもがくっついているのが難しい。会社だったら社内の人間と何が起きても自分だけの問題ですみますが、PTAの場合、親同士の人間関係が子どもにも影響していきますから」
和泉氏「会長として関係づくりに気を使っています。無理をする人が出ないよう、『これで大丈夫ですか?』としっかり聞きます。PTAに限りませんが、大きな人の声ばかり通る不公平はいけません。『無理をしないで』という点では、委員会の長が必ず会議に出なくてはいけないこともやめました」
山田氏「いま、PTAでどんなスローガンを掲げていますか」
和泉氏「チャレンジ、カスタマイズ、カラフルの3Cです。チャレンジは、僕は伝統の世界で生きて、伝統の継承の意味もわかりますが、PTAは変えた方がいい。カスタマイズは、PTAのメンバーは毎年変わるので、それによってできることも変わってくる。その年のメンバーに合った活動をしようということ。カラフルは、自分の色を消してその場にいるのではなく、一人ひとりが個性を発揮しながら活動しましょう。『親の介護があるので無理』も1つの個性として尊重し合い、能力も個性も違う色とりどりの人が集まっていることを生かしたい」

バリバリ働いている「オヤジたち」がPTAを変える

山田氏「私がPTAで疑問を感じたのは意思決定プロセス。企業のように議論を吸い上げ、決めるべき人が決めるとはならない。多数決です。その多数決も『あのお母さんは経験が長いから、あの人の言うとおりにしておけば』みたいな感じになる。責任の所在もはっきりしない」
和泉氏「私は、山田さんのように一般社会でバリバリ働いている男性会社員がもっとPTAに参加すべきだと思います。PTAに男性がいることで、お母さん方の緩衝材になるし、女性同士では言いにくいことも言ってもらえますから、男性の参加は大賛成です。私自身、PTAに参加して、子どものことがよくわかるようになりました」

   PTAを変えるのは「オヤジたちの横のつながり」で2人の意見は一致した。PTAの重荷を妻ばかりに背負わせているお父さん、学校に行こう。

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