和泉元彌PTA会長が掲げた改革への「3C」スローガン
PTA役員の中では一番大変なのが「PTA会長」だ。冒頭の宮川一朗太さん以外にも引き受けた芸能人が狂言師の和泉元彌さんだ。グループウエアのサイボウズのウェブサイト「サイボウズ式」(2014年3月17日・18日)の「PTA会長は狂言師!」で、同社の山田里副社長と対談している。2人はたまたま同じ小学校で会長・副会長を引き受け、タッグを組んでいる縁なのだ。対談を読むと、伝統を重んじる立場である和泉さんが、ことPTAに関しては改革を目指す「名会長」ぶりを発揮していることがわかる(要約抜粋)。
山田氏「そもそも何がきっかけでPTA活動を始めたのですか」
和泉氏「よく学校で見かけるからということで、声がかかったのでしょう。僕は毎朝、子どもを学校に送っているのです。僕の場合、公演や稽古は夕方がほとんどなので、昼の時間の都合がつきます」
山田氏「PTAは独特の世界ですよね。ボランティアという点が難しい。皆さん一生懸命やっているので、あまり強く出ては失礼になるし、どういうスタンスで取り組めばいいかとまどいました。子どもがくっついているのが難しい。会社だったら社内の人間と何が起きても自分だけの問題ですみますが、PTAの場合、親同士の人間関係が子どもにも影響していきますから」
和泉氏「会長として関係づくりに気を使っています。無理をする人が出ないよう、『これで大丈夫ですか?』としっかり聞きます。PTAに限りませんが、大きな人の声ばかり通る不公平はいけません。『無理をしないで』という点では、委員会の長が必ず会議に出なくてはいけないこともやめました」
山田氏「いま、PTAでどんなスローガンを掲げていますか」
和泉氏「チャレンジ、カスタマイズ、カラフルの3Cです。チャレンジは、僕は伝統の世界で生きて、伝統の継承の意味もわかりますが、PTAは変えた方がいい。カスタマイズは、PTAのメンバーは毎年変わるので、それによってできることも変わってくる。その年のメンバーに合った活動をしようということ。カラフルは、自分の色を消してその場にいるのではなく、一人ひとりが個性を発揮しながら活動しましょう。『親の介護があるので無理』も1つの個性として尊重し合い、能力も個性も違う色とりどりの人が集まっていることを生かしたい」