【男と女の相談室】大谷翔平の活躍は肝臓に秘密? 運動効果の個人差解明が衝撃的

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「金メダル選手を作ることも可能になる」

   それにしても、この研究成果は驚くべき内容である。肝臓から分泌されるホルモンが、本人の努力とはほとんど関係なく運動効果に影響を与えているというのだから。J-CASTヘルスケアは研究チームの御簾博文准教授(内分泌代謝内科学)に取材した。すると、メールで次のような回答が返ってきた。

――運動しても効果が上がらない人はどのくらいの割合でいるのでしょうか? つまり、今までは「運動音痴」とか「運動神経がない」と思われていた人が、実は「運動抵抗性」に問題があったという側面はありますか。

御簾准教授「今回の臨床研究では、まったく運動習慣のない健康な閉経後女性31人を対象としました。この研究では約3分の1の方が、運動トレーニングをしても有酸素運動能は上昇しませんでした。『運動神経がない』と思われていた人が、実は『運動抵抗性』に問題があった、という可能性はあると思います」

――31人の臨床試験では、トレーニング効果が上がらない人のセレノプロテインP濃度が高かったとありますが、濃度の高さは生まれつきなのでしょうか。

「セレノプロテインP濃度は、おそらく生まれつきの要素もあると思うのですが、日本人では先天的要因があるかまだわかっていません (現在、先天的要因については検討中です)。確かなことは、糖尿病・肥満(脂肪肝)・高齢になりますと、セレノプロテインP濃度は後天的に上昇してくるということです」

――今回の研究では、セレノプロテインP欠損マウスが通常マウスの2倍の運動効果を上げています。考えようによっては、セレノプロテインPを分泌しない選手を作れば金メダルも可能というわけで、世界のスポーツ界に衝撃を与える成果だと思いますが、その点はいかがなのでしょうか?

「これは、まったくおっしゃるとおりです。セレノプロテインPを下げる薬あるいは効かなくするような薬を作れば、スポーツ選手の成績が向上することが期待されます」
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