【世界一受けたい授業】(日本テレビ系)2017年2月25日放送
「自分で心を手当てする方法」
例えば転んですりむいた時には、消毒のために傷口を水で洗う。しかし「心」にケガをした時、自分で手当てしている人はどれだけいるだろうか。
うつ病など心の問題で医療機関を受診した人は、2014年に過去最高の約112万人に達した。番組では、20か国語で出版され全世界で大ヒットしている「自分で心を手当てする方法」の著者、ガイ・ウィンチ氏を招き、心を健康に保つためのケアを紹介した。
アイロンのきいたシャツを着るだけでも効果的
ゲストのモデル・佐藤栞里は、番組収録前、控え室で共演者に人見知りしてしまい場が持たない。お菓子の原材料の表示を読んで時間をつぶす時もあり、人見知りを直したいと悩んでいる。
ウィンチ氏の助言は「人見知りを克服するには、爪をキレイにせよ」。
人見知りの最大の原因は自信がないことだ。爪をキレイにするなど、髪や服装、自分の体にどこか1つ自信が持てる場所を作ると、人見知り克服に効果がある。
これが本当かどうか、人見知りで悩む一般女性4人で実験した。
駅前で30分間ティッシュ配りに挑戦すると、渡せた数はそれぞれ101個、88個、83個、81個だった。
その後、101個渡した女性と83個の女性の爪を、プロのネイリストがキレイにし、再び30分ティッシュを配った。
爪をキレイにしなかった人は、1回目より10個増、9個減と結果にばらつきがあったのに対し、キレイにした人は45個増、41個増と、二人とも大幅に増えた。
人見知りの男性二人でも同様の実験をしたところ、36個増、54個増という結果に。
男性「(爪のケアが)終わった後ちょっとウキウキした。テンションが上がっちゃいました」
爪は自分で見られるので無意識に自信がつき、堂々と人と接することができるようになる。仕事などが理由で派手なネイルはできないという人も、きちんと爪を整えたり、アイロンをかけパリッとしたシャツを着たりするなど、自信を持てる場所を作るとよい。
ポジティブな独り言で緊張に打ち勝つ
俳優の志尊淳は、ヒーロー番組の撮影で格好付けていたのに、ズボンのチャックが全開だった。その失敗が恥ずかしくて忘れられないという。
ウィンチ氏「誰にでも恥ずかしい失敗はあるもの。そんな時は笑い話にしろ」
失敗を何度も思い出す人はその度に自分を低く見てしまう。悪化すると「何をやってもだめだ」と自信を失い、何も努力できなくなる。嫌な思い出やトラウマも話の種にすると、ポジティブに向き合えるようになる。
俳優の高橋克実は、番組収録で「本番!」と声がかかると、急に緊張して力が入ってしまう。プレッシャーに負けない方法を知りたがっている。
ウィンチ氏「いつも緊張してしまう人は、その場でポジティブな独り言を言うべし」
番組では、10人の男女に50メートルを全力で走ってもらい、その後ポジティブな独り言を言ってから再び同様に走ってもらう実験を行った。
16歳女性は、1回目のタイムは9秒50だったが、「さっきより速く、さっきより速く」とつぶやいてから走った2回目は9秒00と、0.5秒もタイムが縮まった。
10人中7人が独り言の後にスピードアップし、タイムが落ちたのはわずか1人だった。
活躍するスポーツ選手も実践している方法だ。2016年のリオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した、女子バドミントンの奥原希望選手は、試合前「ここまで来た。今までやってきたことは全てここで出す。そして自分を信じてあきらめない!よし!」と口に出している。
打率3割、ホームラン30本、30盗塁の「トリプルスリー」をプロ野球史上初めて2年連続達成した、東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手は、打席に立った時「All is well.(きっとうまくいく)」とつぶやいている。
緊張すると呼吸が浅くなり、酸素不足で頭が回らなくなる。独り言で気持ちを落ち着けると、呼吸のリズムが戻り、本来の力を発揮できる。心で思うだけでなく、小さな声でも実際に口に出すのが重要だ。