ポジティブな独り言で緊張に打ち勝つ
俳優の志尊淳は、ヒーロー番組の撮影で格好付けていたのに、ズボンのチャックが全開だった。その失敗が恥ずかしくて忘れられないという。
ウィンチ氏「誰にでも恥ずかしい失敗はあるもの。そんな時は笑い話にしろ」
失敗を何度も思い出す人はその度に自分を低く見てしまう。悪化すると「何をやってもだめだ」と自信を失い、何も努力できなくなる。嫌な思い出やトラウマも話の種にすると、ポジティブに向き合えるようになる。
俳優の高橋克実は、番組収録で「本番!」と声がかかると、急に緊張して力が入ってしまう。プレッシャーに負けない方法を知りたがっている。
ウィンチ氏「いつも緊張してしまう人は、その場でポジティブな独り言を言うべし」
番組では、10人の男女に50メートルを全力で走ってもらい、その後ポジティブな独り言を言ってから再び同様に走ってもらう実験を行った。
16歳女性は、1回目のタイムは9秒50だったが、「さっきより速く、さっきより速く」とつぶやいてから走った2回目は9秒00と、0.5秒もタイムが縮まった。
10人中7人が独り言の後にスピードアップし、タイムが落ちたのはわずか1人だった。
活躍するスポーツ選手も実践している方法だ。2016年のリオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した、女子バドミントンの奥原希望選手は、試合前「ここまで来た。今までやってきたことは全てここで出す。そして自分を信じてあきらめない!よし!」と口に出している。
打率3割、ホームラン30本、30盗塁の「トリプルスリー」をプロ野球史上初めて2年連続達成した、東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手は、打席に立った時「All is well.(きっとうまくいく)」とつぶやいている。
緊張すると呼吸が浅くなり、酸素不足で頭が回らなくなる。独り言で気持ちを落ち着けると、呼吸のリズムが戻り、本来の力を発揮できる。心で思うだけでなく、小さな声でも実際に口に出すのが重要だ。