東京マラソンでは世界との差が歴然となった
2017年3月4日付「日刊スポーツ」によると、瀬古氏は「びわ湖毎日」前日、「川内(優輝)君も中本(健太郎)君も駄目という走りを見せてほしい」と、先の代表選考レースで上位に立ったベテラン勢を追い落とす新星に期待していたが、そうはならなかったわけだ。30歳の川内は16年12月4日の「福岡国際マラソン」で日本人1位(全体3位)となり、トップと23秒差の2時間9分11秒の記録だった。12年ロンドン五輪6位入賞の34歳中本は17年2月5日の「別府大分毎日マラソン」を2時間9分32秒で優勝。ベテランが結果を残した。
ただ、瀬古氏は2月26日の「東京マラソン」では希望も見られたという。若手の井上大仁(24)が2時間8分22秒で日本人1位(全体8位)。さらに、2時間9分12秒で日本人2位の山本浩之(30)に続き、同3位に2時間9分27秒で設楽悠太(25)が入った。3月5日付「デイリースポーツ」によると、代表選考について意見を求められた瀬古氏はこの東京マラソンについて「設楽君の頑張りあっての走りだが、(井上君は)ただ1人の2時間8分台だし、(代表は)固い」と20代の2人を評価していた。とはいえ、優勝した前世界記録保持者のウィルソン・キプサングと4分24秒もある。東京五輪まであと3年あまりしかなく、この差は果たして埋まるのか。
ネットでは瀬古氏に対するいらだちの声すらあがっている。
「ノルマ押し付けて達成できなきゃ怒鳴るだけみたいなのがトップじゃさもありなん」
「根っからの箱根ランナーにはマラソンは無理」
「育成から根本的に変えていかないと。指導者の育成から。選手育たんぞ」
3枠ある世界陸上代表には、川内と井上がほぼ確実視され、もう1枠は中本か山本が有力視されている。代表は3月17日に開かれる陸連の理事会を経て決定される。