新宿駅西口の地下通路にある「新宿の目」が、スバルビルの建て替えに伴って撤去される――。こんな根も葉もない噂がインターネット上を一人歩きし、一時はツイッターの「トレンドワード」にも登場するといった騒動が起きた。
スバルビルを所有する小田急電鉄の広報担当者はJ-CASTニュースの取材に、「現時点で新宿の目を撤去する予定はありません」と噂を全否定する。いったいなぜ、「『新宿の目』が撤去される」という根拠のない情報が拡散していったのか。その経緯を追った。
3月5日のあるツイートがきっかけ
「新宿の目」は、彫刻家の宮下芳子さんが制作したオブジェだ。そのデザインは巨大な「目」を模したもので、サイズは高さ3.4メートル、幅10メートル。1969年に新宿駅西口の地下通路に面したスバルビルの壁面に設置され、以来40年以上にわたって行き交う人々を見守り続けてきた。
そんな「新宿の目」が撤去されるという情報が、ネット上で急速に「拡散」したのは17年3月5日のこと。そのきっかけは、あるツイッタユーザーが、
「新宿西口地下、スバルビルの『新宿の目』。建替でこれも無くなってしまうそうです」
と写真付きでツイートしたことだった。この投稿は大きな注目を集め、ツイッター上では、
「新宿の目なくなっちゃうのかー! 寂しい!!」
「なくなる前にもう一回見たいな」
「どこかに保存するなり新しいビルに展示するなり出来ないのだろうか」
といった「惜しむ声」が噴出。6日朝には一時、ツイッターの「トレンド」にも新宿の目というワードが登場するほどの話題を集めた。
だが、小田急電鉄の広報担当者は6日午後のJ-CASTニュースの取材に対し、
「現時点では『新宿の目』を撤去する予定はありません。新宿西口の再開発を弊社が検討していることは事実ですが、まだスバルビルを建て替えるかどうかも含めて検討している段階です」
として、ネットで流布している噂を全否定した。