アイドルがアニメや声優の話題に関わると、決まったように物議を醸し、声優ファンからの批判で「炎上」騒ぎに発展することが多い。
しかし、アイドルグループ「欅坂46」メンバーの土生瑞穂さん(19)がアニメ監督に対し声優に起用して欲しいと直接「おねだり」した、という報道があったあと、欅坂ファンから「報道された土生のコメントが間違っている」と反撃が上がることになった。アニメファンと欅坂ファンが相互に批判する事態となっている。
「アイドル歌手だからっていい気になるな!」
アイドルのアニメ・声優に関わる記憶に新しい「事件」といえば2017年1月9日、「乃木坂46」の生駒里奈さん(21)がアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」のファンだといいながら、ワンピースの声優を知らなかったことで批判を浴び、ブログに土下座写真をアップし謝罪した。「AKB48」在籍中だった島崎遥香さん(22)も16年10月、卒業後の夢としてジブリの声優になりたいと発言しただけで、「声優なめてんの?」などと叩きまくられ、「簡単になれるような職業ではないです」と弁明することになった。ちなみに島崎さんは声優を経験済みだ。
今回の「主役」は「欅」の土生さん。17年3月5日に都内で行われたセキュリティー啓発イベント「サイバー攻撃を目撃せよ!2017」の舞台に立った。公開中のアニメ映画「劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」の伊藤智彦監督とのトークで、「ソードアート・オンライン」のファンである土生さんは、この作品の声優に起用して欲しいと「おねだり」したのだ。この様子はユーチューブで生放送された。これによって「欅」ファンはアニメファンや「声豚」と呼ばれる声優ファンから攻撃を受けることを覚悟した。
掲示板には案の定、
「アイドル歌手だからっていい気になるな!」
「声優を目指し、努力している若者が山ほどいる中で、『声優に興味がある』程度の意識で、監督に直談判するとは・・・。あまりに世の中をなめくさってる」
「自分の好きな作品に自分が泥を塗ろうとしてる自覚はないのだろうか?」
などといった批判が相次いだ。
なぜアイドルがアニメや声優の話題に関わると決まって物議を醸すのか。それは、これまで数々のアイドルが声優に挑戦したものの、本職には到底及ばない出来のため、「アニメを壊しにやって来る」などと揶揄されてきたこと。また、声優も自分名義でCDを出しコンサートを開くなどアイドルの垣根がなくなっている。両者は今や完全なライバルのため「こっちへ来んな!」と敵視されているためだ。
しかし、今回の土生さんへの批判については、欅坂ファンから、批判は間違った情報に基づいている、という反撃が始まった。