対処法は?
リスク管理の専門家らは、企業がトランプ政権による攻撃を避けるには、「バッシングされそうな状況はなるべく作らないこと」と強調する。投資先を米国から他国に移したりすれば攻撃対象になりかねない。このため、中長期の投資計画などは慎重に判断し、早まって公表したりしないことが重要だという。
記者会見などでの発言も、慎重にする必要がある。トヨタへの攻撃は、豊田社長のメキシコでの「地域への責任」発言が誘発した可能性があり、「正論であるか、否かは関係ない」と、専門家は指摘する。
さらに、トヨタのように1企業がターゲットにされた場合は、「業界全体に対する攻撃」と考え、業界ぐるみで対応することも必要だという。1企業ではなかなか抵抗できなくても、多くの企業が団結すれば話ぐらいは聞かせる可能性もあるというのだ。ただし、自動車でも、各社で米国現地生産、メキシコでの生産、日本からの輸出のウエートに相当のばらつきがあり、利害が対立することも考えられ、どこまで結束を保てるか、疑問視する声もある。
WTO(世界貿易機関)を無視する方針さえ示されるなど、今までの常識では計れないトランプ政権に向き合うには、これまで以上の慎重な対応と連携こそ重要といえるようだ。