資生堂は、ビタミンA一種である「レチノール」を有効成分として新しい製品について「しわを改善する」効能効果の承認を厚生労働省から受けたと2017年2月28日に発表した。
シワグレード(0~7の8段階)の「4」のレベルの深いしわを改善する有効性が認められたという。
ヒアルロン酸の生成を増加させるレチノール
資生堂では、化粧品や香水の安全性・有効性研究などのための「日本香粧品学会」が策定した「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」にしたがい、目尻に浅いしわからやや深いしわが認められる日本人女性(37~54歳、平均46歳)を対象に臨床試験を実施。「有効成分レチノールを配合した製品」と「レチノール無配合品」を9週間使用してもらい、しわ改善効果を皮膚科専門医による判定と機器による解析を行った。
それによると、「配合した製品」を9週間使用した後には目じりの線状の深いしわや、目の周りのちりめん状のしわが顕著に改善した。機器のよる解析でも「配合した製品」は無配合品に比べしわが減少したことが示された。
レチノールは、水分保持や皮膚の弾力性の維持などに関与し、加齢とともに減少することが知られているヒアルロン酸の生成を増加させ皮膚に柔軟性を与えてしわを改善する。
資生堂は、約30年間にわたるレチノール研究の歴史があり、その積み重ねによる基盤技術を元に、日本で唯一、医薬部外品の有効成分レチノールを配合した製品を製造販売できるメーカー。今後、アンチエイジング(抗老化)領域の研究を進め、スキンケア製品に応用していきたいとしている。