日本のグラフィックデザイナーの大御所として知られ、「週刊朝日」など多くの雑誌のアートディレクターとしても知られる長友啓典(ながとも・けいすけ)さんが2017年3月4日、死去した。77歳だった。
数年前に食道がんを患い、その後回復していたが、2016年末から体調を崩し、検査入院などを行っていた。葬儀などは家族の意向で密葬として営まれる予定。
週刊朝日など数多くの雑誌手がける
大阪市に生まれ、高校を卒業後に鉄工所勤務などを経て、デザインの道に進む。田中一光氏に師事した。1964年に日本デザインセンターに入社したあと、1967年に日宣美賞を受賞。同じ大阪出身の黒田征太郎氏と知り合い、1969年に共同でデザイン会社「K2」を設立した。
数多くの雑誌、書籍、広告、イベントなど多彩な分野でアートディレクターとして活躍した。1984年と2006年に講談社出版文化賞も受賞した。手がけた雑誌には、週刊朝日、家庭画報、GOROなどがある。
また、週刊文春で連載中の伊集院静さんの「悩むが花」の挿絵を描いているほか、全日空の機内誌「翼の王国」でのエッセイも執筆していた。
公益社団法人「日本グラフィックデザイナー協会」の理事、東京造形大学客員教授も歴任した。
2016年末から体調を崩していたが、個人ブログ「日々@好日」を数日おきに更新して、自身の食事の様子などを配信していた。しかし、2017年1月16日を最後に配信が途絶えていたため、関係者が心配していた。