日本・中国・韓国・北朝鮮の4か国でサッカーワールドカップ(W杯)を共同開催したい、との構想を韓国のサッカー協会が提示したと現地メディアが報じた。
W杯共催は過去、2002年の日韓大会しかなく、それも2か国での共催だった。今回の「4か国で」との提案に日本のインターネットユーザーからは「お断りだ」と反発の声が出ている。
大韓サッカー協会会長「当該国と協議していく」
2017年3月2日付「聯合ニュース」日本語版によると、大韓サッカー協会の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長は同日のソウルでの会見で、「現時点では議論の段階」としながら「南北(朝鮮)を含む、中国、日本と2030年W杯を共催したい」と、4か国での招致を進めたい考えを示した。チョン会長は02年の日韓共催W杯に続き、「2030年にもわが国民の応援の声が響き渡ればうれしい。当該国と協議していく」と話している。
この提案に日本のツイッターユーザーからは反発が続出した。
「お断りだなぁ。またまた不愉快にさせられること間違いないもの」
「日本は抜きでお願いします。なぜそこに日本が入るのかが解らない」
「日本を巻き込むなよ。評判が下がるだろ? 日本は単一国開催出来るから遠慮しておきますよ」
「失礼な韓国サッカー協会。単独での誘致が無理だから勝手に日本を持ち出しただけだな」
「政治持ち込んでくるから辞めた方が良いよ」
「4か国共催は情勢的に無理」との声も少なくない。韓国は竹島、中国は尖閣諸島に関して強硬姿勢をとり、北朝鮮とは拉致問題のほか日本海に向けて弾道ミサイルを相次ぎ発射している。2月13日には北朝鮮の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏の暗殺で先行きが不透明な部分もある。
FIFA会長「3~4か国での開催がいい」
一方、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は「共催」を望む発言をしている。2017年2月16日付英メディア「SKY SPORTS」によると、ホスト国が未定のW杯2026年大会について「3~4か国での開催がいい」と述べた。
W杯を開催するには「4万人以上収容できるスタジアムが12か所必要」「開幕戦と決勝戦は8万人以上収容できるスタジアムで行う」など施設面の厳しい条件があり、開催のために急ピッチで新設する国も少なくない。同記事でインファンティーノ会長は、そうして巨額のコストで建設されたスタジアムが大会後はほとんど使われなくなる状況を懸念し、複数国が4~5か所ずつスタジアムを提供し合う形を提案。「我々はW杯共催を奨励するつもりだ。W杯の持続可能性を考える必要がある」としている。
なお、日本は2022年大会の単独招致をねらっていたが落選。カタールでの開催が決定している。J-CASTニュースが日本サッカー協会(JFA)に対し、今回の4か国共催提案についてどう考えているかを取材したところ「特にお答えできる内容はありません」とだけ話した。
17年3月3日付「スポニチアネックス」によると、JFAの田嶋幸三会長は「寝耳に水。相談したこともないし、相談を受けたこともない。びっくりしている」とコメントしたという。