火葬場で棺の花束盗む クビになった職員の動機

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   京都府亀岡市の市営火葬場で、「火葬する棺に手向けていた花束を持ち帰った」行為で、非常勤嘱託の男(58)が懲戒免職処分になった、という報道があった。

   花束を盗む手口が書いていなかったため、ネット上では、この男が「棺の釘を抜いて開き花を持ち去った?」「顔の覗き窓から手を入れて取った?」などと「猟奇的」なことが起こったのではないかと騒動になったが、実はシンプルな行為だった。

  • 「観賞用に自宅に持ち帰った」(写真はイメージ)
    「観賞用に自宅に持ち帰った」(写真はイメージ)
  • 「観賞用に自宅に持ち帰った」(写真はイメージ)

遺族らが最後のお別れをして扉を閉めた後に事件は起こった

   報道によれば、元職員の男は2017年2月23日、遺族らが最後のお別れをして扉を閉めた後に、ベルトコンベヤーで炉に棺を運ぶ途中、手向けてあった花束を抜き取った。この日は火葬が5件ありそのうちの2件で犯行に及んだ。発覚したのは匿名での電話通報が市に寄せられたためで、男は同様の事を過去に数回行っていると話し、市は2月28日付でこの男を懲戒免職処分にした。市は遺族に謝罪し、いずれの遺族も「被害届を出すつもりはない」と話している、という。

   この報道が出ると、ネット上では、

「棺桶にクギ打ってるだろ。わざわざ抜いて盗んでたのか?」
「遺体に添えられた花を棺桶開けて取り出し自宅に飾る... 到底理解できない」
「葬儀場の花なら理解できるが、火葬場での手向けの花はちょっと感覚的にあり得ないわ」
「祟られるぞ」

などといったことが掲示板に大量に書き込まれた。

   本当にそのような犯行だったのか。J-CASTニュースが17年3月3日に同市の環境政策課に取材したところ、ネット上の騒ぎを知っていたようで、こちらが質問する前に、

「棺の中の花を取ったんじゃありませんからね」

と、開口一番、そう説明し始めた。

炉と炉前室の間には遺族らが覗けない空間があった

   市の担当者によれば同市の葬儀場では、遺族らは火葬用の炉に棺を入れる前に炉前室に集められ、最後のお別れをする。その後に棺はベルトコンベアーに乗せられ、炉に運ばれる。棺は焼かれた後に炉前室に戻ってくる、という順番になっている。

   「手向けていた花束」は、大きさは様々だが謝恩会などでよく見かけるタイプで、棺の上に乗せて炉に運ばれる。花束の数は1つと決まっている。炉前室と炉の間には空間があり、遺族らはその中を覗くことはできない。男はその空間で花束を棺の上から取った、というのが真相だという。

「職員は過去に複数回同じことをしたと語り、観賞用として家に持ち帰ったと説明しています。その日に取った2つの花束は手元にあり、大きくも小さくもない普通サイズのものでした」

と担当者は説明した。手向けた花束を盗む行為については、

「当市だけでなく全国でもそんな話は聞いたことがありません」

と担当者は呆れていた。

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