炉と炉前室の間には遺族らが覗けない空間があった
市の担当者によれば同市の葬儀場では、遺族らは火葬用の炉に棺を入れる前に炉前室に集められ、最後のお別れをする。その後に棺はベルトコンベアーに乗せられ、炉に運ばれる。棺は焼かれた後に炉前室に戻ってくる、という順番になっている。
「手向けていた花束」は、大きさは様々だが謝恩会などでよく見かけるタイプで、棺の上に乗せて炉に運ばれる。花束の数は1つと決まっている。炉前室と炉の間には空間があり、遺族らはその中を覗くことはできない。男はその空間で花束を棺の上から取った、というのが真相だという。
「職員は過去に複数回同じことをしたと語り、観賞用として家に持ち帰ったと説明しています。その日に取った2つの花束は手元にあり、大きくも小さくもない普通サイズのものでした」
と担当者は説明した。手向けた花束を盗む行為については、
「当市だけでなく全国でもそんな話は聞いたことがありません」
と担当者は呆れていた。