FPD露光装置市場の見通しが...
それでは業績はどうか。人員削減に伴う一時的な損失が膨らんだことで2017年3月期の業績予想は純損益が90億円の赤字(前期は182億円の黒字)と、従来予想より30億円赤字が拡大することを見込む。売上高は7500億円(従来予想8000億円)、営業利益は440億円(同490億円)といずれも下方修正した。デジタルカメラ販売の苦戦などが響く。
ただ、楽観する見方もある。野村証券が14日に出したコメントは「FPD露光装置市場の見通しが明るくなってきた」。FPDは「フラット・パネル・ディスプレイ」の略語で、FPD露光装置と言えば薄型テレビなどに使われる、液晶パネルなど薄型ディスプレーを作るための機械だ。ニコンの得意とするこの市場が拡大する見込みのため、「V字回復を期待する」ともしている。デジタルカメラが不振なのは事実だが、リストラも進んでいるので業績としては底が見えてきたということだろうか。
専門家の見方は分かれるが、足元で業績が冴えないのは事実。株価を上昇気流に乗せるには「高級コンデジに代わるもの」など、具体的な業績回復策が求められそうだ。