心肺機能の向上はエアロバイクと同じ
マクマスター大学のチームが発表したスポーツ科学誌「Medicine&Science in Sports&Exercise」(電子版)の2017年2月号の論文要旨によると、研究チームは、次の実験で階段上りが非常に実践的なフィットネスであることを立証した。
(1)運動習慣がなく、椅子に坐る仕事が多い平均的な体格の女性31人(平均年齢24歳)を2つのグループに分けた。
(2)Aグループは、20秒間連続して階段を駆け上がることを疲労困憊になるまで3回繰り返す。つまり、1日に1分(20秒間×3回)全力で階段を上がるわけだ。このエクササイズを週に3回(週あたり3分)、6週間続ける。
(3)Bグループは、エアロバイク(自転車)をAグループと同じように20秒間連続して疲労困憊になるまでこぐことを3回繰り返す。このエクササイズを週に3回(週あたり3分)、6週間続ける。
その結果、階段グループとエアロバイクグループの6週間後の心肺機能を比較すると、ほぼ同じレベルに向上した。エアロバイクの高い健康効果は、多くの研究から明らかになっている。研究チームのマートン・ギバラ教授は、マクマスター大学のプレスリリースの中でこう語っている。
「エアロバイクはスポーツジムに行かないと使えませんが、それと同じ健康効果を駅や家の中の階段の上り下りで得られるのです。もう『運動する時間がない』という言い訳は通用しません。階段を歩いて上るより、駆け上がってインターバルトレーニングをすると、さらに効果が上がりますよ」