これまでも「のり」が原因だったが、気づかなかった可能性
刻みのりは、兵庫県産を使っているという。ネット掲示板などでは、韓国産ではないかとの憶測が流れているが、これまでに扱ったことはないとしている。
のりは乾燥して密封されているのにも関わらず、なぜノロウイルスに汚染されていたのだろうか。
東京都の食品監視課では、「ノロウイルスは乾燥に強く、酸素が十分になくても生きていられます」と取材に答えた。のりなどの加工品から検出されたというのは今までに聞いたことがないというが、その理由についてはこうみる。
「ウイルスの検査は難しいのですが、今回は、問屋にのりがかなりの量残っていたことで検出されました。また、検査技術が最近になって発達してきたこともあると思います」
つまり、これまでは、のりなどが原因で食中毒になっていたとしても、気づかなかったり、検出されなかったりしただけの可能性があるということだ。
立川市教委は、給食の検食用に刻みのりを保存していたが、ノロウイルスは検出されなかった。しかし、都が和歌山県に問い合わせて同じ東海屋ののりを使っていたことを知り、問屋からのりを取り寄せていた。
和歌山県の食中毒で「刻みのり」が原因だと分かっていれば、立川市や小平市の食中毒が防げたとみられるが、なぜ原因と分かっていないのか。
この点について、和歌山県の食品生活衛生課では、取材にこう説明する。
「御坊市の給食で検食用にのりが保存されていなかったので、検査できませんでした。東海屋に確認したところ、苦情などは来ていないというので、問屋に在庫の確認もしませんでした。もう在庫はないので、のりが原因かは検査できませんが、今後は、問屋からの取り寄せも考えていかないといけないと考えています」