米国のトランプ大統領が2017年2月28日(米東部時間、日本時間3月1日)、議会上下両院の合同会議で初めて行った施政方針演説では、メキシコ国境沿いの壁建設を「まもなく」(soon)開始することや、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を改めて表明するなど、選挙公約に掲げた「アメリカ・ファースト」を強調する内容になった。
一方で、軍事費の増強や1兆ドル(約113兆円)のインフラ投資の意向も表明した。これに対し、トランプ氏が「ウソニュース」呼ばわりしているCNNの視聴者調査でも、57%の人が演説を「非常に肯定的」に受け止め、69%が「正しい方向に向かう」と回答した。
オバマケア撤廃にはブーイングも
トランプ氏の演説では、
「私の仕事は世界を代表することではなく、私の仕事は米国を代表することだ」
「イスラム過激派組織から米国を守るために強い措置を取る」
などと「アメリカ・ファースト」を強調する文言を述べるたびにスタンディング・オベーション(立ちながらの拍手)が起こったが、通常のように全員ではなく、オバマケアの撤廃を述べたときには、民主党からのブーイングも起こった。
演説の内容について、CNNと調査会社ORCインターナショナルの合同視聴者調査によると、演説について57%が「非常に肯定的」に受け止めたと回答。21%が「どちらかといえば肯定的」で、「否定的」だと答えたのは21%だった。
トランプ氏の政策で米国がどうなるかについては、69%が「正しい方向に向かう」、26%「誤った方向に向かう」と回答。同じ質問を演説前にしたところ、「正しい方向に向かう」と答えたのは58%だった。演説で11ポイント評価が高まったことになる。
演説を聞いてどう感じたかについては、「さらに楽観的になった」が69%、「さらに悲観的になった」が28%だった。