「侍ジャパン弱いぞ大丈夫か」「弱すぎだろ普通に」。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)初戦まで1週間を切った2017年3月1日、野球日本代表・侍ジャパンに、ツイッター上でこんな声が続出している。
前日の2月28日に行われた台湾チームとの強化試合に5-8で敗れ、その前のソフトバンクとの試合に続き2連敗を喫した。しかも、相手はいずれも主力を欠いていただけに、侍ジャパンは攻守ともに不安を露呈している。
バッテリーは「インコースへの攻めがない」
台湾チームは、WBCに出場する代表チームではなく「リーグ選抜チーム」だった。なのに日本の投手陣は17被安打8失点。先発の則本昂大は3回6被安打3失点、続く牧田和久は2回6被安打4失点、3番手の増井浩俊は1回2被安打1失点2与四球と振るわなかった。
「ポイントは配球面」。大量失点の原因を、元捕手で解説者の田淵幸一(60)はそう見る。3月1日付スポーツニッポン紙面で
「捕手目線で見て、インコースへの攻めがほとんどなかった。これでは国際試合は抑えられない」
と捕手のリードの甘さを指摘している。WBC初戦の相手・キューバ代表打線は、外角のボールでも思い切り踏み込んで引っ張ってくるのを念頭に「内角攻めが有効なのは自明の理」とし、直前の強化試合でこうしたWBCを見据えた配球が見られなかった点に疑問を述べた。小久保裕紀監督は侍ジャパンを「投手を中心とした守りのチーム」としてきたが、「投壊」状況に「結果は気にしていない」と話した。
一方、元大リーガー投手で解説者・佐々木主浩(49)は投手陣について「則本にしてもボール1個分高めに浮いただけ。これは残りの数日で調整できる」と楽観的だ。それよりも深刻に見ているのは打線だった。3月1日放送「あさチャン」(TBS系)でこう述べている。
「7回に一気に3点取ったけど、WBCでああいうのはいらない。走塁やバントを織り交ぜたスモールベースボールが見られなかった。大振りが目立って、打線につながりがなかった」
その7回は連続四球の後、菊池の三塁打で2点、坂本の遊ゴロで1点。スモールベースボールでの得点ではなかった。試合全体を通じても、日本の犠打は1、盗塁はゼロにとどまった。二塁打6本、三塁打1本を含む9安打を放ったが、多くは得点につながっていない。