理事長、昭恵夫人から「承認されてから紹介」と主張
安倍首相と籠池理事長の発言の間に食い違いも目立ちつつある。ひとつが、昭恵氏が小学校の「名誉校長」に就任し、辞任した件だ。安倍首相は2月24日の答弁で、15年に昭恵氏が行った講演直前の待合室で名誉校長就任を依頼され、「そこでは断った」が、その後の講演の檀上で
「突然その場でですね、籠池さんからそのように(就任を)紹介されて拍手をされた」
ために結果として断れなかったなどと説明していた。
これに対して、籠池理事長は2月26日のNHKのインタビューで、
「(就任を昭恵氏から)承認されてから紹介をさせていただいたということで、私の方は理解している」
と反論。もっとも、
「その辺のところは、ご夫人が発言されているわけじゃありませんので...」
とも話し、夫妻間の「伝言ゲーム」の可能性も指摘している。
二つ目が、安倍首相と籠池理事長の間の「面識」の問題だ。安倍首相は2月24日に
「(籠池理事長からの講演依頼を)お断りする際に、電話に代わって話したのが、ほとんど唯一に近いと思う。個人的にお目にかかったということは、何か大きな会の中で来られていたかも知れないが、それはあまり記録(編注:「記憶」の言い間違いか)には残っていない」
と述べていたが、籠池理事長は「週刊朝日」3月10日号(首都圏では2月28日発売)で、
「5年ぐらい前にPTAの紹介で知り合った。首相になられる前で昭恵夫人と先に知り合って小学校の見学に来てもらい、住吉大社にもご一緒させていただいた」
と話している。両者の認識の隔たりは大きく、野党の追及は続きそうだ。