12年前から続く啓発運動の一環
内海医師は、スマホに限らず勉強でも部活動でも、何かが過剰であることは必ずしもよいことではないと主張する。
「今の子どもたちはスマホに限らず、テレビやゲーム、パソコン、インターネットなどにどの世代よりも早くから密接に触れています。しかし、これらがなければ落ち着かない、すべてをこれらに費やす時間にはしないでほしい。いろいろな経験をしてほしいと考えているのです」
適度な時間だけ使えばよいという意見もあるが、内海医師はそもそもどのくらいが適度なのかわかっていないのが現状だと指摘する。
こうしたメディアの各種機器と子どもの関係を考えていくために、子どもの心対策委員会は2004年から、「子どもはメディアへの接触を1日2時間、ゲームは30分まで」などの具体的な提言を発表。今回のポスターも、12年前から続く啓発運動の一環だという。
「スマホの長時間利用による本当の影響は、長期間の追跡比較研究をしなければわかりません。未来のリスクがわからないのなら、今は慎重に使うべきではないでしょうか」