緑茶・パート2:血液がんと難病の進行を止めた 「カテキン」研究で分かった新事実

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

悪玉タンパク質を善玉タンパク質に変える

   さて、ワシントン大学の研究者は、ダウン症の改善やインフルエンザの予防で注目されたエピガロカテキン・ガレートに注目した。「Journal of Biological Chemistry」の論文要旨によると、研究チームは「多発性骨髄腫」と「アミロイド症」の患者9人から病原細胞を採取し、エピガロカテキン・ガレートを投与した。

   多発性骨髄腫は「白血病」「悪性リンパ腫」と並ぶ三大血液がんの1つだ。もともと骨髄の中にあり、病原体から体を守る働きがある細胞ががん化し、全身の骨髄で増える病気だ。男性に多く、年々増加傾向にある。がん細胞が骨を破壊しながら増えていくため、全身の骨が弱くなり、折れやすくなる。一方、アミロイド症は、アミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常タンパク質が全身の様々な臓器に沈着し、機能障害をおこす病気の総称。治療が難しく特定難病に指定されている。両方とも病気の発症に「軽鎖アミロイド」というタンパク質が関わり、細胞に蓄積することが共通している。

   そこで、軽鎖アミロイドにエピガロカテキン・ガレートを投与すると、軽鎖アミロイドが別のタイプのタンパク質に変化し、異常な蓄積が起こらなくなった。多発性骨髄腫の場合はがん細胞の増殖がストップした。アミロイド症の場合はナイロン状の繊維を作らなくなったのだ。研究チームは、論文要旨の中で、「人間への臨床試験を進め、治療薬の開発を目指したい」とコメントしている。

   多発性骨髄腫とアミロイド症は、ともに治りにくい病気といわれている。緑茶パワーが患者の苦しみを救うことを願いたい。

1 2
姉妹サイト