学校法人「森友学園」(大阪市)の不透明な国有地払い下げ問題をめぐり、「浪速のエリカ様」こと上西小百合衆院議員と、松井一郎大阪府知事が代表を務める政党「日本維新の会」の対立が激化している。
上西氏は今回の問題について、ツイッターで維新議員の関与を示唆するような投稿を続けている。こうした上西氏の書き込みに対し、維新側からは激しい反発が出ている。上西氏は自身の「国会サボリ疑惑」で15年4月に維新の党(当時)から除名処分を受けている。
維新・足立議員「上西のボケ、あほ」
上西氏は2017年2月19日、森友学園の国有地払い下げ問題について、ツイッターで維新側の関与を示唆するような投稿を寄せた。上西氏は投稿の中で、維新側からの要請を受けて13年12月に同学園が運営する塚本幼稚園を視察していたと説明。その上で、
「塚本幼稚園の籠池(泰典)理事長の息子さんが『日本維新の会』の足立(康史衆院)議員の秘書であったと語っている」(カッコ内は編集部注)
などと主張した。
こうした投稿に対し、足立氏は激怒。19日のツイッターで「おまえはボケか!」と一喝し、
「(理事長の息子は)一昨年の住民投票の際にオレンジのTシャツ着て維新陣営に出入りしていたのは承知。 しかし、同時に大阪自民党にも出入りしていると分かり、誰も相手にしなくなった(略)足立事務所に入りたいとアプローチがあったが、即時にお断りした次第。一切の雇用関係なし」(カッコ内は編集部注)
と上西氏の指摘を全否定。その上で、
「あかん、上西のボケ、あほ(中略)に反応してしまった。 一生の不覚。 有権者に説明すべきは全て書いたので、以上にします」
とも書き込んでいた。
その後、上西氏は翌20日のツイッターで、秘書を通じて森友学園側とのコンタクトに成功したことを報告。維新側の責任を追及する姿勢は一貫しており、22日のツイッターには、
「『日本(大阪)維新の会』という政治集団が、森友学園という法人を使って不正をしました」
とも書き込んでいた。
上西氏セッティングの会見は延期に
一方、維新の会の松井代表は22日午後の定例会見で、上西氏による指摘を一蹴した。記者から上西氏の投稿について問われると、
「お前、上西の話は聞くな。話にならんから。政治家の話ではないじゃないか。コメントはしません。彼女の炎上商法に付き合う気はないので」
と呆れた様子で返答した。
その上で、上西氏が維新の党から塚本幼稚園を調査するよう要請を受けたと主張していた件についても、「一切ありません」と全否定。その上で、記者団に対しては「そういったワイドショー的なものは、辻元清美さんにでも聞いてください」と冗談を飛ばしていた。
ただ、その後も上西氏は維新側や松井府知事への追及を緩めていない。23日には、
「森友学園問題は元々学校関係者及びその周辺からのボトムアップです。そこに私学を食い物にしようと企んでいた維新が絡んでいった」
とのツイートを寄せているほか、翌24日には自由党の小沢一郎代表に森友学園で話し合いの場を持ったことを報告。さらに27日には、松井氏の定例会見の応答について「記者にお前と言うのはともかく、松井さんには答える義務があります。政治家なんですから」と皮肉っていた。
なお、上西氏は自らが設定して、28日に大阪府庁で森友学園の広報担当者が出席する記者会見を開くことを告知していたが、前日の27日午後になって突然ツイッターで会見の延期を発表した。
その理由について上西氏はツイッターで、森友学園の籠池理事長から「(会見に出席する予定の広報担当者の見解が)森友学園の見解と必ずしも一致するものではない」(カッコ内は編集部注)との連絡を受けたためだと説明。その上で、
「学園と森友氏の意見を改めてヒアリングをした上で今後のスケジュールを調整致したいと思っております」
としている。