「かっぱ寿司」「甘太郎」などの飲食店を展開するコロワイド(横浜市)の蔵人金男会長が社内報で社員を罵倒していたことが、ツイッターなどで物議を醸している。コロワイドは謝罪はしたものの、「会長独特の言い回し」だと釈明している。
「株式会社コロワイドの今月の会報がヤバ過ぎて唖然とする」。普通は外には出ない社内報の内容がネット上に出回ったのは、2017年2月23日のこのツイートがきっかけだ。
「生殺与奪の権は、私が握っている」
そこでは、蔵人会長が社内報に載せた発言の最後の部分が撮影されてアップされている。コロワイドは、「しゃぶしゃぶ温野菜」「牛角」などを運営するレインズインターナショナルを12年に買収して子会社化していたが、蔵人会長は、レインズの社員らに対し、「未だに挨拶すら出来ない馬鹿が多すぎる」と批判した。
「お父さん、お母さんに躾すらされた事がないのだろう」
「家庭が劣悪な条件で育ったのだろう」
こう揶揄して、「蚊の無く様な声で●△×...挨拶。個人的に張り倒した輩が何人もいる」と明かした。もしこれが本当なら、社員らへの暴力行為だ。
さらに、「私が嫌いで、嫌悪感すら感じるのだろう。そのアホが、何故会社にいる? 辞めて転職したらいいのに」「生殺与奪の権は、私が握っている。さあ、今後どうする。どう生きて行くアホ共よ」とも書き込んでいる。
前出のツイートは、2万件以上もリツイートされて反響を呼び、東証1部上場企業だけに疑問や批判が相次いだ。
「いったい何様?」
「これじゃただのパワハラ」
「この会長こそ親にどんな躾をされたのかね・・・」
もっとも、ネット掲示板などでは、「まぁこれは特定の人物を含む層に宛てた文だろう」「分からんでもないな」と理解する向きは一部であった。
暴力行為は「ございません」
コロワイドでは、ホームページ上で2月24日、社内報の一部がネット上で出回っていることについて、見解をアップした。
蔵人金男会長の発言は、社員や株主なら耳にしている「会長の独特の言い回し」で書かれているといい、「今回はその本来の意図が伝わらず、お騒がせする事態となりました」として謝罪した。寄せられた意見を踏まえて、「今後は真摯に対応して参りたい」としている。
社内報に書いたのは、「ビジネス・商売の基本となる考え方を述べたものであり、本来はそちらがメインとなるもの」だとし、発言全文もアップした。
全文は、「商魂」の「号外編」と題され、「今の時代のやり方は、トップダウン型」「お馬鹿は、会議が意味もなく長い」など持論を述べた。ここでも「馬鹿」「アホ」を連発しており、「組織運営上、赤字は重罪」「お馬鹿と利口を分けること、これが格差社会」などとも主張している。
コロワイドは、2月10日の決算発表で、業績を下方修正して、黒字から一転して赤字の見通しを示した。蔵人会長は、この事態に怒って社内報で社員らを罵倒したのだろうか。
コロワイドの広報室では、J-CASTニュースの27日の取材に対し、「関係ございません」と否定した。赤字は、レインズではなく、「かっぱ寿司」を運営する子会社「カッパ・クリエイト」の影響が主な要因だという。
暴力行為については、「そのような事は、ございません」としたが、パワハラがあったかについては、ホームページ上の見解通りだとした。