中国外務省「報道とマレーシア側の発表には留意している」
国営メディアとは対照的に、中国外務省は現時点では抑制的な対応を続けている。耿爽副報道局長は2月24日の会見で、朝鮮中央通信の中国批判記事が両国関係に与える影響について、
「中国と北朝鮮は友好的な隣国だ。中朝関係を健全で安定した形で発展させられるよう、ともに努力していきたい。同時に、朝鮮半島における核問題についての中国の立場は明確で一貫している。このことは北朝鮮もよくわかっているはずだ」
と述べるにとどめた。暗殺事件については、遺体からVXが検出されたことについて
「VXは国連では大量破壊兵器(WMD)に分類されている。使用が本当であれば、北朝鮮がマレーシアでWMDを使用したことをどう受け止めるか」
と問われ、
「報道とマレーシア側の発表には留意している。この事件の進展も見守っている。これまでにも指摘したように、北朝鮮国民のマレーシアでの死亡事案であり、マレーシア側が捜査中だ。関係者間で対話や協議を通じて適切に問題が解決されることを望んでいる」
と、引き続き事件と距離を置いている。
正男氏は家族とともにマカオを拠点に暮らしており、中国当局の保護下にあるとみられてきた。中国からすれば保護下にある人物を暗殺された形で、事件への対応が注目されている。