2017年2月25日、26日に開幕したサッカー・Jリーグ。今季から、その全試合を独占配信(中継)する「DAZN(ダ・ゾーン)」で、配信する映像が止まるなど視聴できないトラブルが続発した。
Jリーグは2016年7月、DAZNを運営する英パフォーム・グループと、2017年から10年間で総額約2100億円の大型契約を結んだ。DAZNは月額1750円(税抜き)でJ1、J2、J3の全試合を生中継する。一方、これまでJリーグの試合を中継してきたスカパーJSATは撤退を余儀なくされている。
急きょYouTubeで代替配信
DAZNは、英国の動画配信大手のパフォーム・グループが運営するスポーツを中心とするオンライン配信を主力とするコンテンツで、2017年のシーズンからサッカー・Jリーグの全試合を生中継するほか、野球やサッカーをはじめ、総合格闘技、バレーボール、バスケットボールなどのスポーツを、ワンパッケージで視聴できる。
Jリーグの試合は、2016年のシーズンまではスカパーJSATが放送してきたが、今シーズンからはDAZNが独占配信することになった。スマートフォンやタブレットなどでも視聴できる。また、生中継のほか、見逃し配信サービスやハイライト番組も提供する。
2017年1月のパフォーム・グループの発表によると、Jリーグ中継には、J1で毎節1試合程度を目安に通常の2倍近い16台のカメラを配置し、試合の様子を細かく中継するなど、サッカーファンにとっては多彩なアングルで選手のプレーやゴールシーンを楽しめるようにする考えを明らかにするなど、力が入っていた。
そんなDAZNが、Jリーグが開幕した2017年2月25、26日と連日の配信トラブルに見舞われた。2月25日には、16時50分ごろから約20分間、インターネット配信の画像が止まったり、データを読み込めなかったりした。その翌26日にも、大阪・吹田スタジアムで開催されたJ1、ガンバ大阪‐ヴァンフォーレ甲府の試合が当初案内されたチャンネルで視聴できないトラブルがあった。
視聴できない状態が続き、DAZNは26日付のツイッターで、
「現在、G大阪vs甲府のライブ配信がご覧いただけない状況です。大変申し訳ございません。出来るだけ早い復旧に向けて、現在作業中ですので、今しばらくお待ちください」
と知らせた。
DAZNは、途中からバレーボールのチャンネルやJリーグ公式YouTubeチャンネルで代替配信するなどして対応。「お客様には多大なご迷惑をおかけしており、深くお詫び申し上げます」と、謝罪した。
「スカパーでよかったのになんでや!」
さらにJリーグもホームページで、
「2/26に開催した試合におけるDAZNでの配信に問題が発生しました。ご不便とご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。現在、ライブ配信に不具合のあったG大阪vs甲府、愛媛vs金沢の試合については、Jリーグ公式YouTubeチャンネルにてフルマッチの試合映像をご視聴いただけます」
と、謝罪したうえで、視聴できるサイトを案内している。
Jリーグにしてみれば、これまで放送していたスカパーから切り替わって、いきなりのトラブルにバツが悪い思いだったのかもしれない。
インターネットの掲示板などには、
「スカパーでよかったのになんでや! スカパーに戻せや!」
「有料なのに見れないって返金だろ!」
「なぜか退会ボタンがないんだよなw」
「DAZNにイエローカードw」
と、怒る人が相次いだ。
なかには、
「放送とネット配信の違いだな」
「以前から動画が止まるってツイートしてるヤツいたぞ...」
「コア層向けにスカパー残しときゃよかったのに。画質や遅延が許容できる人向けに安価なネット配信でって棲み分けしてくれよ」
といった、DAZNに「1本化」したことを問題視する向きもあるようだ。
DAZNは2017年2月26日のホームページで「原因究明にあたっている」と説明している。