製薬会社「糖尿病治療薬としての適応はございません」
なお、26日夜に公表した謝罪文の冒頭でNHKは、問題となった番組の趣旨について「睡眠を改善することで血糖値が下がる」という研究データを紹介するものだったと説明している。
番組の中では、睡眠の質を向上することで「デルタ波」という血糖値を下げる効果のある脳波が強まるとして、この現象について「デルタパワー」と表現していた。ただ、この点についても、両学会は文章の中で、
「現段階ではデルタパワーと血糖低下作用の関連については医科学的に確立されている とは言えません」
と疑問を呈していた。
そのほか、ベルソムラを販売しているMSDも27日までに、公式サイト上の「医療関係者向け」ページ上に文章を掲載し、
「弊社の不眠症治療薬であるオレキシン受容体拮抗薬を服用し、熟睡することで糖尿病が改善するという内容の放映がありました。今回の番組はNHKが独自で企画・取材したものであり、MSDからNHKへ情報提供などは行っておりません」
と説明。その上で、「ベルソムラは不眠症治療薬であり、糖尿病治療薬としての適応はございません」と明言している。